私たちの体の血管を全部直線でつなげると、約9万kmとなり、地球を25周できてしまいます。
これだけの長い血管が体の中を通っているわけですが、その中で毛細血管は全身の血管の99%を占めています。
そして体のすみずみの組織に必要な酸素や栄養を血液を通して送り届ける道になっています。

しかし、60~70代の人の皮膚毛細血管を調べてみると、20代の時と比べて4割も毛細血管が減少していると言われています。

こうなると、体のすみずみまで栄養や酸素が届きにくくなり、シミやくすみなどが出てきてしまい、まさに、毛細血管の老化が、体の老化につながります。

そして、この毛細血管の老化と関係が深いのがTie2(タイツー)と呼ばれるものです。

Tie2(タイツー)って何?

Tie2(タイツー)は、血管内皮細胞にある血管を安定させ血管老化を防ぐタンパク受容体です。
毛細血管をみてみると、図のように、血管の内壁に内皮細胞があり、その周りを壁細胞が覆っています。

Tie2は、この内皮細胞にある受容体で、受容体型のチロシンキナーゼという酵素になっています。
そして、Tie2の働きが活性化すると、血管老化が防がれ、守られます。

血管の外側にある壁細胞から、アンジオポエチン-1が分泌されます。
これが内皮細胞にあるTie2受容体にくっつきます。するとTie2が活性化します。
Tie2が活性化すると、血管の内皮細胞同士の結合力が強まります。さらに、血管内皮細胞同士だけでなく、内皮細胞と壁細胞との結合力も高め、その結果、血管が安定します。

加齢により、アンジオポエチン-1の分泌が少なくなってくると、血管の内皮細胞の結合力が弱くなり、その結合がもろくなってきます。

血管が老化してくると、その結合がゆるくなり、血管の水分や老廃物が結合がゆるくなった隙間から漏れ出てしまい、むくみにもつながります。
これが血管透過性の亢進で、これは体に悪い影響を与えます。

そして、やがて毛細血管が失われていってしまい、ゴースト血管ができてしまうのです。

炎症により血管透過性がたかまり、むくむメカニズム

炎症を起こすと、その場所に炎症性物質であり内因性の発痛物質であるブラジキニン、プロスタグランジン、ヒスタミン、セロトニン、サイトカインなどが集まってきて、血管内皮細胞を刺激します。

炎症を起こすと、血管は拡がりますが、それにより炎症部位の血流量は増えます。
しかし、刺激を受けた局所の血管内皮細胞は収縮し、血管の内圧が高まります。
さらに、内皮細胞同士の収縮と内圧により内皮細胞と内皮細胞の間に隙間が出て、隙間から水分などが漏れ出て血管透過性が高まってしまいます。