高齢化社会になって、認知症が社会問題になってきています。
65歳以上の認知症患者は300万人を超えていて、65歳以上の人の約1割に相当します。
そしてその数は年々と増える傾向にあります。

脳は必ず萎縮、しかも予防手段はない

ここで、事実はズバリいうと、人間の脳は加齢とともに確実に萎縮していきます。
そして、まだその脳の萎縮を予防する手段は見つかっていません。

私たちの脳の細胞は、10歳ごころから1日に10万個ずつ死んでいき、90歳になるころには、5~10%減ってしまうと言われています。

脳の萎縮には順番がある

脳には、いろいろな役割を果たす部分があり、その脳は全体的に同じ速さで老化し萎縮していくわけではありません。
比較的若いうちから萎縮していく部分と、60歳ぐらいになってから萎縮していく部分があります。

最初に萎縮して衰えていくのが、少し前の出来事や少し前に話したことを記憶する部分で、ここは若い内から萎縮していきます。

これに対し、意欲を司っている部分については、歳を重ねていってもそれほど萎縮はしないことがわかっています。

年齢を重ねるごとに蓄積される能力もある

歳を重ねると、脳が萎縮していくということですが、がっかりすることなかれ
実は、歳を重ねるごとに蓄積されていく、結晶性知能という能力があるのです。

結晶性知能とは、長年の経験によって得られる判断力や洞察力といった能力です。
そしてこの結晶性知能というのは、70歳、80歳になるまで衰えないと言われています。

つまり、こうした結晶性知能などを上手く生かして、いかに萎縮していく部分、不得手な部分を補完していくかということがカギになります。

歳をとっても伸びる樹状突起

神経細胞からは樹状突起が出ていますが、この神経細胞は、使えば使うほど、樹状突起を伸ばして発達することが実証されているのです。
たとえ細胞の数が減ってしまっても、樹状突起を伸ばし、ネットワークを密にすることで、神経細胞の働きは活発になっていきます。

脳の萎縮を緩やかにするには

脳の萎縮を緩やかにするには、コミュニケーションが一番です。
一人で散歩するのであれば、集団でダンスを踊ったほうが、脳の萎縮をゆるやかにするという意味では有効です。
コミュニケーションが取れて、脳に刺激を与えることができる運動が良いと言われています。

この運動は、1回30分から1時間ぐらいで、高齢者であれば週に2回程度の無理のない程度で効果があるようです。

脳は萎縮していくものですが、そのスピードを緩やかにするには、コミュニケーションを伴う趣味や運動をすると効果的です。