風邪漢方の葛根湯と服用の際のワンポイントアドバイス

風邪漢方の葛根湯と服用の際のワンポイントアドバイス

風邪に関連したネタをいろいろと集めました。

風邪漢方と言われる葛根湯と服用の際のワンポイントアドバイス

冬になってきて風邪のシーズン到来となってくると、よく販売されるのが市販の風邪薬。
風邪薬は、アセトアミノフェンを解熱鎮痛薬として使用し、それに鼻水等に効果がある抗ヒスタミン剤や、咳や痰に効果がある鎮咳薬や去痰薬を配合したような形になっています。
また解熱鎮痛薬として、アスピリンやイブプロフェン、ロキソニンなどを使ったものも市販されています。

市販薬の中でも副作用が多い風邪薬


風邪薬というと、市販薬の中でも比較的副作用が多く出やすいカテゴリーの薬です。特に配合されている非ステロイド系の解熱鎮痛薬で、口唇・口腔、眼、鼻、外陰部などの粘膜にびらんができて、体中の皮膚に紅斑・水疱・びらんが多発してしまうスティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な副作用も起こる可能性があります。

もっとも、解熱鎮痛薬以外にも、抗ヒスタミン薬や鎮咳薬など多くの薬剤が配合されている風邪薬は、それだけ副作用が起こる確率も高いと言えるのでしょう。


副作用が比較的少ない漢方薬を希望する人も


こうしたことから比較的副作用が少ないとうイメージの漢方薬を選択するという人もいます。
葛根湯は「風邪には葛根湯」といわれるくらい、風邪の時に使われる代名詞的な処方であり、江戸時代の落語にも登場しています。

傷寒論では、「太陽病、項背こわばること几几、汗なく悪風するものは葛根湯これを主る」という太陽病の証のときに用いられ、つまり、風邪でも首や肩がこっていて、汗が出ず寒気があるような場合に用いられますが、実際の臨床での応用範囲は広く、扁桃腺炎や結膜炎などの炎症性の症状にも多用されています。

一般用医薬品では、風邪漢方として、主に比較的体力がある人の風邪のひき始めに使われます。

効能をみると次のようになっています。
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん

実際の臨床では、次のようなものに応用されています。
かぜ症候群(胃腸型感冒含む)、気管支喘息、扁桃炎、上気道炎、鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、中耳炎、神経痛、筋緊張性頭痛、顔面神経麻痺、肩こり症、五十肩(肩関節周囲炎)、リウマチ様関節炎、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、結膜炎、リンパ節炎、乳腺炎

まあ、これだけあれば、落語に出てくる「葛根湯医者」ではないですが、幅広く用いられているということになります。


インフルエンザと葛根湯


インフルエンザに対しては、麻黄湯が効果があると言われていますが、葛根湯もマウスを使った実験では、インフルエンザウイルス感染に伴う全身症状の改善(発熱抑制効果、肺組織病変の改善作用)があったという報告があります。
ちょっとした葛根湯服用に際してのアドバイス

風邪で葛根湯を服用する場合は、発汗を促すために、飲んでからは必ず体を温めるようにします。
温かいものを食べるなんていうのも良いでしょう。特に発汗してから風にあたったりして、体を冷やさないように注意をします。