睡眠に関連した検査

睡眠に関連した検査

不眠・睡眠に関する現状と、その改善方法について紹介していきます。

不眠症の診断に用いられる検査

不眠症の検査には次のような検査が診断に用いられます。

 

睡眠日誌
アクチグラフ
エプワース睡眠尺度
睡眠ポリグラフ検査
睡眠潜時反復検査(MSLT)
メンタルヘルス検査

 

睡眠日誌

睡眠日誌は、通常数週間にわたって、個人の睡眠・覚醒時間等の関連情報を自己報告するものです。特に概日リズム睡眠障害の診断および治療に有効です。
1週間以上、2~4週間の睡眠パターンの追跡をすることで診断の参考にします。
次のような内容を記録し報告します。

 

1.起床しようとした時間
2.実際に起床した時間
3.自発的に起きたのか、目覚まし又はそれ以外の外的作用によって起きたのか
4.ベッドを出た時間
5.日中の気分はどうだったか
6.昼間の昼寝と運動の開始時間と終了時間
7.使用している薬物の名前・服薬量・服薬時間
8.夕食の時間と種類・量
9.就寝前1時間の瞑想・テレビ・PCゲーム
10.就寝前のストレスレベル
11.寝ようとした時間
12.眠りについたと思う時間
13.寝ようとした時間や眠りについたと思う時間の直前の行動(目をつぶっていた、瞑想していた)
14.夜間の目覚めとその時の行動、推定原因、回数、時間、長さ
15.睡眠の質
16.早期された夢の快適さレベル

 

アクチグラフ

アクチグラフユニットと呼ばれる運動全体の活動を測定する腕時計のようなユニットを1週間以上装着し、記録されたデータを分析します。
数日から数週間連続記録でき、通常は1週間以上、睡眠・覚醒アルゴズムを利用して. 睡眠・覚醒判定を行います。
日中の過度の睡眠記録や、長期間にわたる中途覚醒回数などの測定に適していて、睡眠日誌の記載が難しく、睡眠ポリソムノグラフを使うのも難しいと判断されたときなどに利用されます。

 

エプワース眠気尺度

日中の眠気を評価するのに有効な質問表です。
ほとんどの人が日常生活の中で遭遇する8つの状況について0ポイントから3ポイントの4段階で評価し、そのスコアの合計で評価されます。

 

状態(どんな時に、眠ってしまいますか?)
1.座って読書をしているとき
2.テレビを見てるとき
3.人の大勢いる場所で座っている時(例えば、会議や劇場などで)
4.他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき
5.午後に、横になって休憩をとっているとき
6.座って人と話をしているとき
7.飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき
8.自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっているとき

 

スコアの合計が0~9であれば正常とみなされ、10~24であれば専門的な医学的アドバイスが求められるべきとしています。
11以上は、昼間でも眠気が強い過眠などの病的領域とされ、SAS(睡眠時無呼吸症候群)が有る場合は、治療を要するレベルとされます。
11未満でも、慢性的ないびきや、睡眠時呼吸が止まる、日中頻繁に眠気を感じるといった場合は、SASの可能性があります。

 

睡眠潜時反復検査(MSLT)

睡眠潜時反復検査(MSLT)は昼間の過度の眠気を引き起こすような疾患であるナルコレプシーなどの評価をする検査です。

 

PSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査:睡眠の状態を評価し、過眠の原因となる睡眠障害を調べます。
MSLT(睡眠潜時反復)検査:2時間おきに計5回検査を実施し、眠気の程度を評価します。

ポリソムノグラフィ(PSG:polysomnography)・ポリグラフ

ポリソムノグラフィは、日本語では睡眠ポリグラフと呼ばれることもあります。

 

ポリソムノグラフィは睡眠中に多項目の測定を同時に行って評価する検査で、脳波、呼吸、四肢の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図、酸素飽和度、胸壁の運動、腹壁の運動、体位・体動、血圧などが記録されます。
ポリソムノグラフィのsomno-はラテン語のsomnusからきていて「睡眠」を意味します。

 

脳波検査(EEG)

日中に脳波検査を行うことで、開眼時と閉眼時の脳波変化、光源点滅刺激時の脳波変化、音による脳波変化、過呼吸時・過呼吸後の脳波変化、単発での睡眠における各ステージでの脳波状況などを測定します。

 

終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)

夜間の睡眠を測定するため一泊二日で行われる検査で、入眠潜時、睡眠の深さや質、睡眠の中断が引き起こす睡眠時無呼吸症状やむずむず脚症状、手足の瞬間的痙攣といった不随運動などの有無が測定されます。

 

反復睡眠潜時検査(MALT)

PSGの翌日、2時間ほどの間隔で複数回繰り返して入眠潜時の長短や睡眠開始時のレム睡眠期の出現の有無などを測定します。
ナルコレプシーや特発性過眠症の眠気水準の検査として保険が適用されています。