子宮頸がん

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在宅臨床検査のメリットとデメリットを注意点などとともに紹介していきます。

子宮頸がんの症状

●感染者 : 国内では毎年1万5000人が発症するとされ、約3,500人が死亡しています。
子宮頸がんは、子宮がん全体の約70%で、好発年齢は、50代がピークで、次いで60代、40代、30代、70代のが順になっていますが、特に近年は20~30代の患者が急増しています。
子宮頸がんは、扁平上皮がん:85%、腺がん:10%、その他のがん:5%の割合になっています。

 

子宮頸がんは、早期発見が出来れば完治する可能性が高いがんです。
しかし、現実には子宮頸がんの受検率は2割程度と言われています。

 

 

●病原 : ウイルス (HPV : ヒトパピローマウイルス 16型、18型)
HPVは種類が150種類ほどもあって、6型、11型など20種類は良性型(低リスク型)で尖圭コンジローマの原因となります。
16型、18型など15種類は悪性型(高リスク型)で、女性の子宮頸がんの原因となります。

 

ただし、HPVに感染したからと言って、必ず子宮頸がんになる訳ではありません。
またハイリスク型HPVに感染しても90%以上は体内から自然消失するため、子宮頸がんに進展するのはごくわずかです。

 

●感染ルート : 性行為感染(オーラルセックスも含む)
HPVはオーラルセックスによっても咽頭感染し、肺や食道に広がり、がん化するケースもあります。
コンドームの着用は有効ですが、100%安全とは言えず、性器以外の部分から膣口付近にHPVが感染する可能性があるため有効率は70%と言う説もあります。

 

●潜伏期間 : 数年~十数年 感染してから数ヵ月~数年間、HPVウイルスを検出できないことがあるそうです。HPV感染は、現在の性交渉によるものとはかぎりません。

 

●症状 : 
一般的な子宮頸がんは扁平上皮がんで、手術や放射線療法で治療効果が期待されます。
子宮頸がんの最近の傾向は、若年化と子宮頸部腺がんの腺がんの増加で、子宮がん検診で早期発見しずらいことが問題です。
腺がんは、卵巣転移の頻度が高く、放射線治療の効果が低いなどの問題もあります。

 

子宮頸がんの初期は殆ど症状がない場合がほとんどです。7割から8割の人で全く症状が出ません。初期に肉眼での診察でもがんとする所見を見つけることは困難です。
細胞を採取して検査しないと分かりません。
症状初期では無症状ですが、病気の進行に伴い、性交後出血、不正出血、持続的出血、多量出血などが起きます。

 

初期状態からがん化が進むと、6割から7割の人でおりものが増えてきます。

 

性行為の際に出血が見られることもあり、進行すると腰や下腹部 の痛みを伴う出血が顕著になります。
がん細胞によって尿管が圧迫され、腎臓の働きにも障害が出て「水腎症(尿管圧迫により尿が逆流する症状)」 や「無機能腎」となることもあります。
進行により過多出血などの症状が出てきます。
子宮頸がんは、異形成上皮(軽度→中等度→高度)⇒上皮内癌⇒浸潤癌と進行していきます。

 

子宮頸がんの病期

異形成上皮と0期

・軽度異形成:大部分が将来消失。
・高度異形成:将来3/4が治癒し、浸潤癌への進行は4.8%

0期(上皮内癌)

初期がんで転移はありません。
癌が皮下組織に浸潤が始まっていません。

浸潤がん Ⅰ期 がんが子宮頸部に限局して認められ、他に広がっていません。
浸潤がん Ⅱ期 がんが子宮頸部を越えて拡がりますが、骨盤壁または、膣壁の下1/3には達していません。
浸潤がん Ⅲ期 がんが骨盤壁まで達し、がんと骨盤壁との間にがんでない部分を持ちません。または、膣壁浸潤が下方1/3を越えています。
Ⅳ期 がんが小骨盤膣を越えて拡がるか、膀胱、直腸の粘膜にも広がっています。

 

 

 

 

 

子宮頸がんの検査

●検査法 : 

 

子宮頸がんの原因のHPVウイルス検査の方法は、子宮頸部の細胞を用いて、子宮頸がんの原因である高リスク型HPVに感染していないかどうか調べます。
HPVウィルス検査は子宮頸部細胞診と併せて受けて欲しい検査です。

 

持続感染の場合、子宮頸がんの前がん病変を引き起こすことがあります。
感染が明らかになった場合は、ウイルスが消失するまで、定期的(6~12ヵ月後毎)に検査を受けます。

 

HPVには潜伏期間があります。感染から数ヵ月~数年間、HPVウイルスを検出できないことがあり、また感染は現在の性交渉によるものとはかぎりません。
だから、子宮がん検診(子宮頸がん検診)を定期的に受け、子宮頸部細胞診だけでなくHPVウィルス検査もうけることが大切です。

 

●子宮頸がんの検査法

 

○子宮頸部細胞診検査
子宮頸部の表面をこすっり取って細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を検査します。
広範囲の細胞を採取でき、一般的な子宮がん検診(子宮頸がん検診)に使われます。

 

子宮頸がん検診では、細胞診(PAPテスト)を行います。これは、子宮頸部の細胞を、小さなヘラやブラシなどで擦り取り、HPVが感染している場合に現れる異常な細胞がないかどうかを顕微鏡で見て調べる方法です。
結果は5段階(クラスI、II、IIIa/IIIb、IV、V)で評価します。

クラスⅠ 正常
クラスⅡ

異常な細胞があるけれども今のところ問題なし
(月経周期の影響や子宮頸部の炎症などでもみられる)

クラスⅢ以上 前がん病変やがんが強く疑われるので精密検査が必要

 

○HPVウイルス検査
子宮頸がんの原因であるHPV感染の有無を調べます。
子宮頸部の細胞を用い、子宮頸がんの原因である高リスク型HPVに感染していないかを調べます。

 

○子宮頸部組織検査
子宮頸部の一部分を小さく切り取り顕微鏡で観察して判定します。
極めて少量の組織片の検査で、検査に伴う痛みはあまりなく出血も少量。
子宮頸部異型上皮の悪性度合いや、がんの進行度を評価します。

 

○コルボ診
コルボスコープとよばれる拡大鏡で子宮の入り口(子宮頸部)を観察します。
組織片を採取する組織診の場合の併用検査でもあります。

 

○画像診断
肉眼で明らかにがんがある場合や、診察・検査でがんの可能性が高い場合に、CTやMRIなどの画像診断でがんの進行具合を調べます。
1cm以下の小さな病変は分からない場合があります。

 

○超音波検査
臓器の断層像を得て子宮の状態を確認します。

 

子宮頸がんの治療

●治療法 : 手術、放射線治療、化学療法があります。

 

手術か放射線治療を選択または併用で、これが世界的な標準治療になっています。
化学療法は、がんの進行によって手術や放射線だけでは十分な効果が期待できない場合に放射線治療と併用したり、放射線治療の効果ががない種類の子宮頸がん(腺がん)に単独で使用されたりする場合があります。

 

HPV検査は、子宮頸部の細胞に発がん性HPVが感染していないかどうか調べる検査です。
細胞診でも異常がなく、HPV検査でも発がん性HPVが検出されなければ、2~3年以内に子宮頸がんになる可能性は低いと考えられています。

 

発がん性HPVが検出されても多くの場合は自然に排除されますが、心理的な負担になる可能性があります。
そのため、1年に1回の細胞診を受けることをお奨めします。

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