
まつ毛は、上下の眼瞼に3~4列の幅をもって生えている特に発達した体毛で、上眼瞼のまつ毛の方が、下眼瞼のまつ毛よりも長く、目にチリや埃、ゴミなどが入るのを防いでいて、通常は反り返って目から離れるように生えています。
また私たちは、虫などがまつ毛に触れると、その接触を感知する機能があり反射的にまぶたを閉じて目を守っています。
まつ毛は毛髪と同じ硬毛で、軟毛と違いメラニン色素があるので黒くなります。
まつ毛の色は、髪の毛の色よりも一般的に明るめの色になっている傾向があります。
モル腺は英語ではgland of Mollですが、眼瞼(まぶた)に見られるまつ毛の毛包の間にあるアポクリン汗腺です。
まつ毛は、目の周りの毛、まぶたにくっついている毛ですが、まつ毛次第で目を目力のある魅力的な目に見せることができることから、顔の印象を決める重要なパーツといっても良いでしょう。
長くボリュームがあるまつ毛に多くの女性が憧れていて、まつ毛に関する化粧品はすでに青銅器時代から始まっていて、マスカラの一種のコール(kohl)と呼ばれるものがあったと言われています。
まつ毛の化粧アイテムというと、アイメイクの三種の神器ともいわれるマスカラ、アイシャドー、アイライナーがあります。
まつ毛に使われるアイテムとして、まず思い出されるのが『つけまつ毛』です。『つけまつ毛』は、20世紀にだんだんとポピュラーなものになっていきました。
まつ毛に使う器具としては、ビューラーと呼ばれているアイラッシュカラーがあります。まつ毛をはさんでカールすることで目を大きくみせようという器具です。また、マスカラのノリを良くするといった効果もあります。
最近では、まつ毛に関して、太くて長くて丈夫なまつ毛を目指して、まつ毛美容液が販売されるようになりました。
そして、マツエク(まつ毛エクステンション、まつ毛エクステ)と呼ばれる美容法が一般的に行われるようになりました。つけまつ毛ではなく、事前にまつ毛に人工毛などを装着してまつ毛の長さや密度を増すという美容法です。さらには植毛を美容整形として行う方法もあります。
人間の顏は男女によってその特徴は違います。眉毛は人間独特のもので他の動物ではみられないという人間ならではの特徴的な部分ですが、男女でも顏のパーツの特徴が違ってきます。
女性の顔の特徴は、男性よりも鼻が小さく、額が平らで、目が大きく、両目の間隔が広く、まつ毛が長く太い。眉毛は細く薄く、眉と目の距離は広くなっているのが女性の特徴と言えます。
毛髪つまり髪の毛の他に、人間の体にはあちこちから、薄い産毛も含め多くの体毛が生えています。
まつ毛は、毛髪とよく似た性質があります。
まずは体の毛をその硬さによって分類すると、硬い硬毛と軟らかい軟毛に分けることができます。
硬毛は黒くて硬い毛で毛髪、眉毛、まつ毛が該当します。一方、色の淡い軟らかい毛は軟毛または毳毛(ぜいもう)と呼ばれ、一般的には生毛(うぶげ)とも言われます。
陰毛、脇の下にある脇毛、男の胸毛やヒゲ、すね毛などの手足の濃い毛は、思春期の第二次性徴の時になると色が濃く硬くなり、軟毛から硬毛に変わってきます。
この第二次性徴の時に硬く太く濃くなる硬毛は、男性ホルモンの影響を受けて変化してくるので性毛といいます。
一方で、毛髪はもちろん、眉毛もまつ毛も生まれたときから硬毛であり、男性ホルモンの影響を受けたわけではないので無性毛になります。
その他、毛は長毛と短毛という分け方をすることもでき、まつ毛は、長く伸びる毛髪やヒゲ、脇毛や陰毛、胸毛や手足の毛などの長毛と違いあまり長く伸びませんので、眉毛や鼻毛と同様に短毛になります。
まつ毛は、眉毛や鼻毛と同じく短毛ということですが、これはまつ毛のヘアサイクルが3~5ヵ月と短いことも影響しています。
日本人の自まつ毛の長さに関しては、8~11mmとしている所もありますが、スキンケア大学に掲載されている内容をみますと、西洋人の平均的なまつげの長さが8.1mmなのに対して、日本人のまつげの平均は6.8mmで1mm以上も違うと言われています。
日本人では、まつ毛が8mmあったら、まつ毛が長いねとい言われるかもしれません。
日本人はまつ毛の長さで西洋人よりも1mm以上短いのですが、長さだけでなくまつ毛の密度やカール具合も違います。
日本人のまつ毛の密度が1mmあたり約2.6本なのに対して、欧米人は約3.4本で、ここでも1本以上の差をつけられています。
しかも欧米人のほうがしっかりとカールしているので、目が自然とぱっちりと見えるです。
なんともうらやましいかぎりです。
まつ毛も毛髪と同様にヘアサイクル(毛周期)があります。つまりある一定の周期でまつ毛は生え変わっています。
つまり、まつ毛は毎日数本ずつは自然に抜け落ちています。
まつ毛は、3~5ヵ月のヘアサイクルをもっていて、これは男性で2~4年、女性で5~6年とされている髪の毛に比べてはるかに短くなっています。これがまつ毛が短毛となる所以でもあります。
まつ毛は毛髪と同じように毛包があり毛母細胞が分裂して成長してきますが、毛が抜け落ちたあと、次の毛が生えてくるための準備期間があります。これが休止期です。
この休止期の期間が長くなると毛が抜け落ちる一方で新しく生えてこないため、どんどんとまつ毛の数が少なくなってしまいますので、正常にスムーズに成長期に移行していくことが大切になります。
最初の早期成長期では、まだ毛が皮膚の外に出てきておらず、毛を作り出していく毛包が成熟し、そこからやって皮膚の中で毛が成長し始める時期になります。
やがて毛が伸びて、中期成長期になると、皮膚の外に顔を出すようになりますが、まだまだまつ毛はコシが弱く長さも短い状態です。この状態から徐々に成長して太くなっていきます。
後期成長期になると、まつ毛はコシがあり、長くなります。
この時期にまつげ美容液などを利用すると、よりしっかりとしたハリとコシがあるまつ毛に育っていきます。
まつ毛の毛母細胞が消滅してしまう時期です。毛母細胞が消滅するということは、毛の成長が止まることを意味しています。
退行期にはいったまつ毛は、しっかりと伸びてコシもハリもある状態になっているので、目をしっかり守る働きをしています。しかし、あまり長く伸びすぎると、今度はまつ毛が目に入ったりしてしまうので、退行期となりまつ毛の成長がストップするようになっています。