漢方医療が怪しいと思われる理由と、その有用性 | 薬剤師トピックス

さすがに今では、漢方薬や鍼灸治療といったいわゆる東洋医学は、西洋医学に比べて劣った医療であるとか、怪しい医療と思う人は少なくなってきていると思いますが、今でも日本の医療の中心は西洋医学であり、医学部でも西洋医学を中心に教育がなされ、漢方薬をはじめとした東洋医学は、おまけとはいかなくても、やはり主流は西洋医学で、その脇役みたいな扱いになっています。

東洋医学は怪しいものではない

東洋医学というと、少し漢方や東洋医学に関する本などを読んだことがある人は、陰陽・五行といったような言葉を聞いたことがあるでしょう。東洋医学があやしいものとされる理由の一つとして、こうした概念があります。


陰陽は東洋医学では最も大切な概念で基本的な考え方の1つとも言われますが、この陰陽思想は、古代中国の思想になっていて、自然界の根源である太極(たいきょく)から陰と陽の2つの気が生じて、また太極に統合されるという考え方に基づいています。

そしてこの基本概念は、「易経」という古代中国の占いの書物に書かれていることから、占いっぽいというイメージが強くでてしまい、なんか怪しいということになってしまっているのでしょう。

しかし、東洋医学は三千年以上の医学的経験に基づいた人体実験を積み重ねて作られてきた医療です。ここ数十年の人体実験によって治療法が確立されている医療とは、信頼性・安全性の面でも大きな差があるといっても過言ではないでしょう。

西洋医学と東洋医学の決定的違い

西洋医学と東洋医学の決定的な違いは、西洋医学は理詰めで、なぜこうした症状がでてくるのか、こうした病変がある場合は、こうした臨床検査値に異常が見られるはずだというような考え方になっています。

つまり西洋医学では、生理的メカニズムで、こういった状態になっているから、こうした薬を使ってというような考え方をします。

一方、東洋医学は体の不調は、その部分の不調だけでなく、体全体のバランスが崩れていると考え、個々の症状や体質にあった『証』というものを大切に治療をしていきます。

症状があっても治療されない西洋医学

例えば、体の不調があり、症状を訴えているにも関わらず、それでは検査をしましょうとなって、実際に検査値に異常がないと、ちょっとストレスが溜まっていて、自律神経やホルモンのバランスがくずれているんでしょうねと言われて放っておかれるなんてことがありますが、東洋医学では、こうした患者の治療に対して、心身両面から総合的に体全体をみて判断していきます。

複雑な疾患こそ漢方

急性の疾患や、対症療法などでは、西洋医学の方が優れていますが、最近では生活習慣病や慢性疾患、心身症など原因が一様でなく複雑と言える疾患が増えてきて、こうしたものを西洋医学で薬を出していると、多種類の薬が処方されてしまうといったことにもなりかねません。

そしてひどい場合には処方されている薬の副作用を抑えるために、さらに薬が処方されるなんていうこともあります。

一方漢方薬では、1つの処方でもOKです。よくよく考えてみると、一つの処方ですが、もうそれ自体が多成分の処方になっています。漢方処方は数種類の生薬から構成されていますし、さらにそれぞれの生薬にはいろいろな成分が含有されています。そしてそれらのバランスを考えられ、三千年の歴史をもって使われてきた人類の知恵の集大成とも言えるのでしょう。

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