湿布貼ってください!で湿布を貼るのは医療行為なのか | 薬剤師トピックス

薬剤師の仕事と言えば、医師が書いた処方箋に従いミスのないように調剤をし、患者のお薬手帳などから疑義照会すべき事項がでてきたら、きちんと医師に疑義照会することです。

もし必要であれば処方を変更してもらい、また患者と話をしてジェネリック医薬品に変更したり、あるいは患者さんの近々の体の調子を聞き出したり、適正使用のために薬の飲み方などを間違いのないように丁寧に説明するということになるかと思います。

薬剤師さん、湿布を貼ってくださらない?

さて、とある薬剤師さんが、来局した患者さんから次のように言われました。

「あの、薬剤師さん。これ今処方していただいた湿布剤なんですけど、私、一人暮らしなもので、なかなか自分ひとりだと上手く貼れないのよ。悪いけど貼ってくださらない。」

さて困ってしまいました。
ここで問題となるのが医療行為です。

医療行為にあたるかどうかは、どう判断するのか

多くの薬剤師さんが迷うのが、湿布を貼ることが医療行為に当たってしまうのではないかということです。

もし、医療行為、つまり治療行為であれば、医師しかできないので、薬剤師がやるわけにはいかないのです。

患者さんに湿布を貼るといっても、治療を目的として患者の患部に湿布薬を貼るということは、治療行為・医療行為に当たってしまうのじゃないだろうか。

上手く貼れないといっている患者さんから頼まれたので、貼ってあげたいのはやまやまなのだけれど、法律を犯してしまうのはいかがなものなのか。

もちろん、診察室・診療室で医師や看護師が医師のもとで患者に湿布を貼るのは、診療行為の中で医師が行う医療行為なので問題ありません。

また、家でその患者さんの家族が湿布を貼ってあげるというのも、許容範囲でしょう。

しかし、薬剤師が薬局で患者に湿布を貼るとなるとどうなのだろうか。

行為としては、極論を言うと、目の前に指を切って血がでている子供に、絆創膏を貼ってあげるという親切な行為も、医療行為なのではなんていうことになってしまいます。

こんな時、

「私は医者じゃないので、絆創膏を貼ることはできません!」

なんて言う人がいるでしょうか?

医療行為として迷う場合の判断基準

湿布剤を貼ってくださいと依頼されたケースで考えると、判断基準は次のようになるかと思います。

もちろん法律を守ることは大切ですが、根本的な考え方の基本として、誰のためにするのか、それは医師の治療方針に反するものなのか。

目の前に、指を切って血が出て泣いている子どもがいて、自分が今、絆創膏を持っていたとします。救急絆創膏だって立派な医療機器です。

実際に、それでその子供に救急絆創膏を巻いてあげたからといって、「あなた、それ医療行為ですよ! 法律違反だ!」などと言う人がいるでしょうか。

そんなこと言ったら、駅で倒れた人にAEDを行ったら、逮捕されてしまうのでしょうか?

そんな馬鹿なことはありません。

倒れてしまっている人を救うのが第一優先で、こんなことは馬鹿にでもわかります。
もし、それで逮捕されてしまうのであれば、倒れている人がいたって、みんな見て見ぬフリで、AEDを行う人なんて誰もいなくなってしまいます。

AEDは医療行為なのか

AEDは医療行為なのかということですが、答えを先にいうと、もちろんAEDは医療行為です。
それならば、なぜ駅で倒れた人にAEDを行っても法律違反で逮捕されないのでしょうか?

AEDを行っている人は、医療関係者だけではなく、一般人もいるでしょう。

結論を言うと、一般の人が緊急時に使用する場合は「反復継続性」がないため違法性がないと判断されるのです。

さらに、救急車を呼ぶなどして、医療従事者に引き継ぐまでのあくまでもつなぎということなので違法性なしなのです。

ただし、お医者さんはいませんか?などと言って、まわりに医療従事者がいないか探す努力をして、それでもみつからない場合ということが大切でしょう。

非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/171109-a.pdf

結局、患者さんに湿布を貼ってあげてもいいの? 悪いの?

結論をずばり言うと、患者さんに湿布を貼ってあげるというのが正解です。
医療行為にならないかということですが、何ら問題はありません。

医療行為にあたるなどと心配しなくても大丈夫。法的にもきちんと説明がつきます。

まず、医師から処方された薬を貼るわけですから、医師の示している治療法に沿っています。
そして、湿布を上手く貼れない患者に対して、湿布を上手く貼るためのポイントなどを説明しながら、湿布を貼ってあげればいいでしょう。

立派な服薬指導の一環です。
堂々とやるべきでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする