ファッションは人からどう見られるかという点でも、自分の気持ちをリセットするという意味でも重要な要素の1つになります。
日本に服装心理に関連した協会がある
『日本服装心理学協会』というものがあり、そのホームページにいくと、『服装心理診断』というものがあります。
『服装心理診断』では、100の質問に答えることで、5つの服装心理傾向を数値化して確認することができるようになっています。
一般消費者向けにも、『服装心理診断lite』というものがWebサイトで無料提供されていて、正式な服装心理診断の1/4ほどの設問数で、おおまかな傾向が把握できるようになっています。
『服装心理診断lite』: https://www.cptest.jp/
これにより、規律性・合理性・独創性・一般性・愛着性という5つの服装心理傾向がわかりますので、ちょっとした遊び心でやってみるのも面白いかもしれません。
服装と心理は密接な関係
コロンビア大学で心理学の学士号を取得し、モデルやパーソナルスタイリストの経験もあるファッション心理学の第一人者と言われているドーン・カレン氏は、心情の状態によって選ぶ服装が変わったり、その逆で、着ている服がその人の心情を操作することもあるとしています。
確かに、ユニフォームなどを仲間と同じ服を着ることで一体感が生まれたりしますし、スーツを着てビシッとすることで、さて仕事を頑張ろうというモード切替にもつながります。
また人は外見じゃなくて中身だよと言う人もいますが、どうしてもセンスある服を着ている人に目がいってしまうなど、見た目のインパクトは大きく、社会心理学的にも、外見は人の印象に大きく関わっているということがわかっています。
人に対する印象という点では、まずは視線が顔に行きますが、顔は生まれつきのものだとすると、それ以外で印象を変えるとすると、表情やファッション、ちょっとしたしぐさということになります。
例えば、会話をしていて、ちょっとうなずいたり会釈をすることで、相手の反応は違ってくるもので、実際に聞き手がうなずくと、話し手は元気でよくしゃべるという実験結果も出ています。
着ているもので結果が違ってくるという実験
ファッションは、人からどう見られるかという点で非常に重要な要素の1つです、
きちんとスーツを着こなしている人と、ジーンズでラフな格好をしている人が、説得をした場合、スーツの人は相手が説得に応じる確率が高く、拒否されてもその理由をはっきりと話してくれますが、ジーンズの場合は、そもそも話をまともに聞いてくれないという実験結果がでています。
また、スーツの人とジーンズの人が道で倒れていた場合、スーツを着ている時は大丈夫ですかと声をかけられたのに対し、ラフなジーンズのときはしばらく見て見ぬふりをされてしまったという結果もあります。
ファッションは、コミュニケーションをとるという面においても重要なのでしょう、
ファッションは自分の内面・心情にも影響を与え、好きな服装をしている時は、充実して楽しい気持ちになりテンションもあがりますが、そうでない場合は、気分が落ち込んだりイライラしたりします。
もしかしたら、好きでもない制服を着せられて仕事しているときは、テンションが上がらないというのも仕事がイヤというよりも制服が影響している部分もあるのかもしれません。
ファッションに興味がない人は、制服で学校を選ぶなんていう人の話を聞くと、たかがファッションで馬鹿らしいと思うかもしれませんが、たしかに学校生活におけるテンションを考えた場合、検討すべき要素の1つになるのかもしれません。