最も多くの化粧品に配合されている化粧成分は何かと言われたら、それはかもしれません。
それは、多くの化粧品原料の溶媒・溶剤として利用されているからです。

多くの化粧品で使われる水

化粧品は、基本的に配合されている成分は全成分表示となっているので、製品表示を見れば、その商品に配合されている成分がわかりますが、かなりの数の化粧品の成分表示に「水」と記載されています。
化粧品の全成分表示は原則配合量の多い順に記載されているのですが、多くの化粧品の成分表示をみると「水」が上位となっているものが多く、一番目にきている商品もたくさんあります。

普通、日常生活の中で「水」と言うとまず連想するのが水道の蛇口をひねると出てくる水道水です。
化粧品の場合は、商品によっては製品の大部分を水で占めているものも多いのですが、化粧品の「水」は、水道の水をそのまま使っているわけではありません。

化粧品の成分表示で「水」と記載されているのは、水道水を使っているわけではないのです。
化粧品で使われる水は、精製水になります。

局方の常水を蒸留したり、イオン交換樹脂を通して精製した水が使われているのです。

飲み水より厳しい化粧品の水の基準

飲み水というと、日本の水道水はそのまま飲めるくらいきれいで衛生的な水です。
水道水がそのまま飲める国といったら、日本の他には、フィンランド、スウェーデン、アイスランド、アイルランド、ドイツ、オーストラリア、スロベニア、クロアチア、アラブ首長国連邦、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、モザンビーク、レソトぐらい。

でも水道水は化粧品には使いません。
確かに、日本の水道水は、厳しい水質基準がありそれに適合していますが、それでも多少なりともヒ素・鉛・カルシウム・マグネシウムなどの金属イオンを含んでいます。化粧品を製造する場合は、こうした不純物が問題になってくるので、不純物を蒸留することやイオン交換樹脂を通すことで取り除いた純水、つまり精製水が使われるのです。

もし、水道水をそのまま使用すると、化粧品にはいろいろな成分が配合されていて、溶解度の関係や経時的変化によって沈殿が出てきたり脱色してきたりするほか、皮膚に対しての作用も否定できません。水道水の中に含まれている金属イオンが他の成分と反応し、不溶物となって沈殿したりにごったりしてくるのです。

精製水は取扱いに注意

水道水であれば殺菌のために塩素なども含まれていますが、蒸留したりイオン交換樹脂を通した精製水は、まさに純水なので、雑菌に汚染されやすいので取扱いも注意が必要になってきます。
精製水は、無色透明でpHは5.5~7.0程度になっています。

化粧品には、精製水以外の水も使われることがあります。
それが海洋深層水や富士山の水に代表される天然水で、なかには温泉の水も使われたりすることもありますが、多くの化粧品は、精製水が利用されています。