多くの化粧品には、着色料や香料が配合されています。
色や香りの好みもあり、配合されていたりします。
着色料や香料なんていらないという考え
たとえば、入浴剤ですが、香り豊かな泡の海でたっぷりリラックスし、心も解き放つといった感じで、いろとりどりの入浴剤を入れて、お風呂に入っている人も多いと思います。
しかし、理屈で考えれば、疲れを取るのであれば、ただのお湯でも疲れは取れますし、お湯だけであれば、敏感な肌が入浴剤の刺激で苦しむこともありません。
もちろん、こんなことをいってしまったら身もふたもなく、入浴剤はそれなりの薬用効果も期待できます。
ただ、化粧品においては、個人個人の香りや色の好みもあり、それが製品の価値になっているのですが、色や香りについては個人個人の好みの問題で理屈ではありません。
たとえば、シャンプーであっても、洗浄剤が入っていれば、きれいに汚れを落とすことができますが、シャンプーが薄い灰色をしていたり、洗浄剤だけでは変な香りがしたりということで、綺麗な見栄えにするため、また髪がきれいに洗えるような香りが求められ、それにより着色料や香料が配合されているのです。
一方、着色料や香料など余計なものは入っていないほうがいいという人のために、無香料・無着色の製品も市場に出ています。
染料
コールタールと聞くと、なんか体に悪そうというイメージをもつ人もいますが、かつては合成染料の原料といえば、コールタールしかありませんでした。
コールタールは、無酸素状態で石炭を強力に加熱した時に得られる化学溶液で、どろりとした黒い化学物質で、そこからは、アニリンやナフトールなどコールタール染料の原料がとれました。
特に、アニリンを原料とする染料は、アニリン染料またはアゾ染料と呼ばれています。
もちろん、現在では、こうしたものは石炭ではなう、石油から精製しています。
特に、コールタール染料やアゾ染料では、過敏な人がいて、特に注意しなければならないのは、喘息の人や、湿疹の人、アスピリンに過敏な人です。
頭痛や呼吸困難、喘息発作、目や鼻のかゆみ、かすみ目、皮膚発疹などがでてくることがあります。
タール色素と各国の使用制限
米国ではFDAによって、ヨーロッパでは欧州委員会によって、タール色素の使用ができるかどうか制限されています。
米国では、内用に使えるもの、外用に使えるもの、そのどちらにも使えるもので分けられていて、ヨーロッパでは、口紅に使えるもの、外用製品に使えるもの、洗い流す製品に使えるもの、眉毛製品に使えるものでランクが分かれています。
また、米国の特徴としては、目の周り使用する有機合成色素はみとめられていないという点があります。
日本においては、全ての医薬品・医薬部外品・化粧品に使用できるもの、外用の医薬品・医薬部外品・化粧品に使用できるもの、粘膜以外に使用できるものに分かれています。
日本で全ての医薬品・医薬部外品・化粧品に使えるタール色素としては、赤色2号(アマランス)、赤色3号(エリスロシン)、赤色102号(ニューコクシン)、フロキシンB、ローズベンガル、赤色106号(アシッドレッド)、黄色4号(タートラジン)、黄色5号(サンセットイエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)があります。