『チアシード』は、メキシコやグアテマラなど中南米が原産シソ科の一年草である『チア』の種で、栄養的にはω3脂肪酸を豊富に含んでいます。
チアシードとその栄養素
チアシードに豊富に含まれるω3脂肪酸は、エゴマに多く含まれるαリノレン酸などがあり、細胞を作るのに重要な働きをしています。
チアシードって美容やダイエットにおいて注目されているのに、脂肪酸と聞くとなんか健康に良くないとか太るというイメージをもつ人もいると思いますが、ω3脂肪酸は良質な脂質で健康維持に必要不可欠な栄養素になるのです。
そればかりか、ω3脂肪酸には、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、動脈硬化を予防する働きや、脳の活性化を促す働き、アレルギー症状の緩和といった多様な効果があります。
しかし残念なことに、私たち人間は、このω3脂肪酸を体内で生成することができないので、食事から補う必要があり、厚生労働省では、1日2g程度のω3脂肪酸の摂取を推奨しているのです。
1日2g程度のω3脂肪酸を摂取するとなると、アジの開きを4尾摂取しないといけない計算になりますが、ω3脂肪酸を豊富に含むチアシードであれば1日約10g、約大匙1杯分摂取すれば大丈夫です。
チアシードは、ω3とω6脂肪酸をバランスよく含んでいるうえ、ビタミンやカルシウム・亜鉛・セレンなどのミネラルも豊富に含まれていることから『スーパーフード』などとも言われ、さらにダイエットでも注目されているグルコマンナンという食物繊維も多く含んでいるため、腸内環境を整える働きもあります。
チアシードって毒があるのか
『チアシード』には、『ホワイトチアシード』と『ブラックチアシード』の2種類がありますが、日本では『ブラックチアシード』が主流のようで、『ホワイトチアシード』は品種改良したものになります。
どちらも栄養価的には同じですが、水分を吸った際の膨張率は、ブラックチアシードが10倍であるのに対して、ホワイトチアシードは14倍まで膨れるといわれています。
実は、チアシードの中にはアブシジン酸という毒性物質が含まれていて、これは乾燥などのストレスに対応して合成されることから「ストレスホルモンで、化学的構造ではセスキテルペンに属しますが、発芽を促す酵素を抑制することで植物の成長を妨げる働きがあります。
玄米やナッツの中にもアブシジン酸は含まれていますが、調理することで毒性はなくなります。
アブシジン酸をヒトが摂取するとどうなるかというと、酵素の活動を抑えるためタンパク質の消化を妨げ、消化が悪くなります。
生でクルミをたくさん食べると消化が悪くなったりしますが、アブシジン酸は、水に浸けるかローストすることで働きを止めため、ローストすることで消化が良くなります。
チアシードのオススメの食べ方
アブシジン酸は玄米やナッツにも含まれているもので、多少消化が悪くなったりしますが、サラダなどにそのままふりかけて食べられたりもしていますし、生のナッツを食べている人はたくさんいますので、それほど気にする必要はないでしょう。
それでもどうしても気になるという人は、水でふやかして食べるのがオススメです。
10倍の水に12時間以上ふやかすことで、アブシジン酸の毒性はなくなります。