私たちが日頃食べている『米』は、稲の種子部分である籾(もみ)からもみ殻や外皮などを取り除いた部分を言います。
いろいろなお米
米の主成分は、体や脳のエネルギー源tなる糖質ですが、それ以外にも米には良質の蛋白質も含まれています。
米の中には、健康面を考えていろいろなお米が市場に出回っていて、γ‐アミノ酪酸を覆う句含む『巨大胚芽』、抗酸化成分であるポリフェノールを豊富に含んだ『紫黒米』、栄養価が高い胚芽部分を残した『胚芽精米』、米アレルギーの原因蛋白質を取り除いた『低アレルゲン米』などもあります。
米の原産地は、中国・インドなど諸説あり、紀元前3500年頃には栽培が始まっていたとされています。
日本には、縄文時代後期に中国又は朝鮮半島から伝えられたという説が有力視されていて、日本人の嗜好に合わせた品種が改良されていきました。
日本の食卓でよく使われているのが、『ジャポニカ米』と言われるもので、粒は丸く短めで水分が多く、炊くと粘りが出てくる特徴があります。
これは、デンプンに含まれるアミロースの量が少ないためで、これが日本の米の特徴になっています。
日本以外に目を向けると、有名なのが『インディカ米』で、世界の米の8割を占めると言われています。
インディカ米は、熱帯アジアに広く分布し、粒が細長く楕円形のものもあり、水分が少なく、デンプンに含まれるアミロースの量が多くなっているため、炊くと粘り気が少ない硬めのご飯になります。
お米のデンプン
米に含まれるデンプンには、アミロースとアミロペクチンの2種類があり、水を加えて加熱すると粘り気が出てくるのがアミロペクチン、やわらかくてさらっとしているのがアミロースです。
普通のご飯に使われるうるち米は、アミロースが15~35%、アミロペクチンが65~85%の割合になっているのに対し、もち米は、100%アミロペクチンです。
アミロースの量が少ないと、米は粘りが強く冷めても硬くなりにくく、逆にアミロースの量が多いとパサパサとした食感になります。
お米に特徴的な成分
お米に特徴的な成分と言えば、まず挙げられるのがγ‐オリザノールです。
γ‐オリザノールは、米糠の脂質に含まれるフェルラ酸とステロールが縮合したエステル類の総称で、米糠に豊富に含まれ、コレステロールの吸収を抑える働きがあることから、ビタミン剤などにも含有されています。
米に含まれるγ‐アミノ酢酸は、GABAと呼ばれ、グルタミン酸から精製される神経伝達物質にもなっています。
GABAは副交感神経を活発にして、リラックス効果があります。
イネのもみ殻からは、モミラクトン類という、不飽和ラクトン構造をもったテルペノイドが含まれていて、いもち病菌の感染や、紫外線の転射に応答して誘導されます。