いろいろなところでの唾液の活躍 | 健康トピックス

唾液が分泌されるのは、口腔にある唾液腺からになります。

口腔は消化管の入り口で、食べた物を咀嚼し、味わい、飲み込む器官であると同時に、おしゃべりをしたり、歌ったり、表情を作ったりと重要な役割を果たしています。

唾液の分泌

食べた物が口腔内で咀嚼されると、唾液腺から唾液が分泌されてきます。

一言で『唾液腺』といっても、文字通り耳の下部にある耳下腺、口腔底の粘膜の下にある舌下腺、顎の左右の下にある顎下腺という3つの大きな唾液腺の他に、舌や頬にある無数の唾液腺から唾液が分泌されます。

人間が1日に出す唾液の量は、だいたい0.5~1.5Lにもなります。

この量は、自律神経の影響によっても増減します。

自律神経と唾液

唾液の分泌量は、自律神経に大きく影響されますが、ストレスなどを受けると、交感神経の働きが活発になり、唾液の分泌量は減ってくるとともに、血管が交感神経によって週sy区するために水分が少なくなり、唾液の粘度が増してきます。

一方、心身がリラックスしている時には、副交感神経が優位となり、血管も広がってくるため、唾液の分泌量が増え、粘度も増すことはありません。

夜になると、副交感神経が優位になってきますが、一般的には唾液の分泌量は減ってきます。

そのため、夜間は、唾液の働きも低下してしまうため、口の中の細菌が増殖しやすくなります。

そのため、歯磨きも、特に夜寝る前と、朝起きてからの歯磨きは重要とされるのです。

唾液の働き

唾液の働きというと、多くの人がまっさきに連想するのが、でんぷんを分解する消化作用だと思います。

唾液の中には、水分、電解質の他に、唾液アミラーゼ、ムチンなどが含まれています。

その中で、消化酵素の一つである唾液アミラーゼは、摂取した炭水化物を麦芽糖(マルトース)に分解する働きがあります。

米をよく咀嚼していると、だんだん甘くなってくるのは、米に含まれているでんぷんが、咀嚼を繰り返すことにより分泌された唾液に含まれる唾液アミラーゼによって、ブドウ糖が2分子結合した形の二糖類である麦芽糖に分解されるために、甘みを感じるようになるのです。

唾液は、消化作用以外にも、自浄作用があります。

自浄作用とは、歯と歯、歯と歯茎、歯に付着した食べ物のカスを洗い流す働きです。

さらに唾液には抗菌作用があり、口腔内の細菌の増殖を抑えてくれています。

加えて、唾液には粘膜保護作用があり、口腔粘膜を保護しています。

このように、唾液には口腔衛生に欠かせない多岐にわたる作用があるのですが、それ以外にも、歯の再石灰化を助ける働きもあります。

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