イライラを漢方で分析すると | 健康トピックス

イライラの主な原因としては、更年期障害自律神経失調症が挙げられます。

ホルモンや自律神経のバランスがうまくとれなくなることが、イライラの大きな原因と言われています。

その他にも、片頭痛などでつらくてイライラしたり、アルコール依存症やPMS(月経前症候群)などの情緒不安定による精神的な面からのイライラなどもあります。

煩躁とは

漢方では、気分が落ち着かず、イライラしてじっとしていられないことを『煩躁(はんそう)』または『煩躁不安』と言います。

『煩躁』の『煩』とは、胸に熱感があって不安を感じることで、『躁』とは、手足の不安定な動きという意味があります。

つまり、『煩』は自覚症状で、『躁』は体の動きに現れてくる他覚症状になります。

煩躁は、熱邪(ねつじゃ)という邪気によって心神(精神)がかき乱され、火熱が原因であるとされています。

火熱は、読んで字のごとく、火が燃えるように熱性の症状が出てくるというものです。

煩躁・イライラの原因とは

漢方では、イライラの直接の原因は、『心火(しんか)』とされていますが、『肝火(かんか)』が心火を誘発することも多く、どちらが主体であるかが判断し、治療されていくことになります。

心火のイライラ

『心火』とは、血脈を司り、血液の調節や精神・意識・判断・思考などを支配されているとされている『心(しん)』に熱がこもった状態のことを言います。

この状態になると、焦燥感があって、いてもたってもいられない状態になり、不眠や動悸、胸が暑苦しい、不安といった症状を訴えるようになります。

舌尖の痛みや口内炎などもできやすくなります。

漢方では、五行の考え方で、『肝・心・脾・肺・腎』とう五臓があります。

このうち『心』は、心臓そのものを指すのではなく、血脈を司ったり、精神や意識、思考などを支配しているいわゆる「こころ」に関係した働きを指しています。

思い悩みや欲求が満たされないことによって心気が盛んになり、『心火』で熱性を帯びることで、目に見える水分である津液(しんえき)を濃縮したり、消耗することで、イライラが現れてきます。

この場合は、清心安神(せいしんあんじん)といって、心火を冷まして、心神(精神)を安定される漢方処方によって治療が施されます。

心火によるイライラには、三黄瀉心湯や黄連解毒等が用いられます。

肝火のイライラ

『肝火』とは、情志・血流の調節を司っている『肝(かん)』に熱がこもった状態のことを言います。

この状態になると、イライラして怒りっぽくなり、ヒステリックな反応をしたりするようになります。

また、胸脇部が張っていたんだり、頭痛や耳鳴り、口が苦いといった症状が出てきます。

精神的ストレスや怒り、情緒の抑うつなどによって、肝気がうったいして熱を持ち、それが心神(精神)をかきみだすために、症状がでてきます。

この場合は、清火瀉火(せいかんしゃか)・安神(あんじん)といって、肝火を冷まして、心神(精神)を安定される漢方処方によって治療が施されます。

肝火によるイライラは、加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、大柴胡湯等が用いられます。

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