健康面でもエチケット面でも、口臭は大きな問題です。
口臭は、口の中の口臭原因菌によって起こってきますが、なかなか自分の口臭には気づきにくいものです。
唾液の分泌
唾液には単にアミラーゼなどの消化酵素を含み消化活動の一端を担っているというだけでなく、口腔内を殺菌・清浄するといった働きなどがあります。
1日に分泌される唾液の量は1.5Lにもなり、食事をしたりすると、1分間に1~2mLの唾液が分泌されます。
唾液はお風呂に浸かっているときなど、リラックスしたときにも出やすくなります。
高齢になり口が乾くのは唾液不足
歳を重ねていくと、なんだか最近口が渇くと感じる人も増えてきます。
これは、歳とともに唾液の分泌が少なくなってきたせいです。
元気な人は、歳をとっても唾液量が多いため、口が渇くといったようなことはないのですが、唾液が少ないと口が渇くというような症状が出てきます。
65歳以上の人の役7割が口が渇くという症状があることがわかっています。
唾液は口臭を抑える
唾液には殺菌作用があり、口内細菌が原因ででてくる口臭を抑える働きもあります。
口臭には、特定の口内細菌が特に影響をしているということがわかっています。
参考:
Appl Environ Microbiol. 2010 May;76(9):2806-14. doi: 10.1128/AEM.02304-09. Epub 2010 Mar 12.
Relationship between oral malodor and the global composition of indigenous bacterial populations in saliva.
PMID:20228112
また、唾液の粘性によっても、唾液の粘性が高いほど、それは悪臭のリスク原因になるということもわかっています。
参考:
Pages 1005-1009 | Received 17 Jan 2014, Accepted 03 Jun 2014, Published online: 13 Aug 2014
Saliva viscosity as a potential risk factor for oral malodor
PMID:25115949
スマホに夢中になると口が臭くなる理由
唾液は、口臭の原因となる口内細菌を殺菌する作用がありますが、その分泌が少なくなると、細菌による口臭が起こってきます。
スマホに夢中になっていると、唾液が出にくくなってしまいます。
なぜならば、スマホに夢中になるあまり、長時間、顎を引いてうつむいた姿勢のままでいると、耳の下や顎の脇、顎の下にある唾液腺が圧迫されてしまい、唾液分泌が少なくなってしまいます。
さらに、スマホの画面に夢中になっていると、緊張状態となり交感神経が優位となり、また、顎や口の筋肉も動かさないことにより、唾液分泌の量が減ってきてしまいます。
そのことによって、口が渇いたり、口臭が起こってきます。
口臭を防ぐためのスマホとの付き合い方
口臭の原因になりかねないからといって、スマホを使わないなんていうことはできないと思います。
スマホを使うときは、連続して30分以上使わないように注意し、30分に1回ぐらいは、顎をあげて背伸びをしたり、おしゃべりをしたりと、顔の筋肉をほぐすようにすると良いでしょう。
そうすると、唾液の分泌が促され、口臭を防ぐことができます。
また、口を閉じたまま、舌を前に突き出して、舌先を口の内側に沿って円を描くように動かすことで、唾液が分泌されてきます。
右回転・左回転それぞれ12回ずつ行うと良いでしょう。