学校の理科の時間、ホルモンについても勉強をしたと思いますが、時が経つにつれ忘れてしまったり、学生のときはあまり理解できずただ暗記していたという人も多いのではないでしょうか。
内分泌って聞くけど外分泌ってあるの?
生物や生化学の勉強をしていると『内分泌』という言葉がでてきますが、『外分泌』という言葉はあまり聞いたことがないという人もいるかもしれません。
『内分泌』は、その分泌物が細胞を浸している間質液を介して血液中に分泌されてくるものをいいますが、『外分泌』は、消化などで分泌物を内蔵諸器官と体壁の間にある体腔や体外に放出していくことをいいます。
そして、『ホルモン』とは、この内分泌で分泌される物質のことをいい、そうしたホルモンを産生する器官が『内分泌系』と呼ばれます。
『内分泌系』の器官は、脳(視床下部、下垂体、松果体)や甲状腺、膵臓、副腎、性器(精巣・卵巣)などがあります。
ホルモンの分類
ホルモンは、内分泌系にある内分泌腺にある細胞でつくられて、血液中に分泌され、全身を循環し、標的となる細胞で作用します。
ホルモンにはその化学的性質から『水溶性ホルモン』と『脂溶性ホルモン』があります。
『水溶性ホルモン』は、作用する細胞の細胞膜上にある受容体と結合することで、酵素などを活性化して生理作用を発揮します。
『脂溶性ホルモン』は、細胞膜を通過して核内にある受容体と結合して遺伝子の発現量を変化させて蛋白質を産生します。
水溶性ホルモンと脂溶性ホルモンという分類の他に、そのホルモンの構造から、『ペプチドホルモン』、『ステロイドホルモン』、『アミンホルモン』に分類することもできます。
『ペプチドホルモン』の代表選手がインスリンや成長ホルモンで、数個あら100個以下のアミノ酸がつながったペプチドになっています。
またグルカゴンやオキシトシンといったホルモンも、ペプチドホルモンになります。
『ステロイドホルモン』は、コレステロールを原料とする糖質コルチコイドや、鉱質コルチコイド、性ステロイドホルモンなどがあります。
『アミンホルモン』は、ドーパミンやセロトニン、メラトニン、甲状腺ホルモンなどが該当し、アミノ酸が化学反応を起こして作られます。
ホルモンと神経
ホルモンは神経系と協力して、血糖値や血中のカルシウム濃度を一定に維持しています。
血糖値については、インスリン、グルカゴン、糖質コルチコイドなどによって調節されていますが、血糖値を下げるホルモンはインスリンだけになります。
カルシウム濃度は、骨、小腸、腎臓などによって調節されていて、パラトルモン、カルシトニン、ビタミンDなどが関与して調節されています。