糖の消化吸収速度を遅くする働きがあり、血糖の急激な上昇を抑えたり、コレステロールの吸収などを阻害する働きがある水溶性食物繊維ですが、水に溶けてゲル化し、便の水分量を高めて便のかさを増す作用もあります。
水溶性食物繊維には、ヌルヌルしたものと、サラサラしたものがあり、精製されていない穀物や海藻、果物、いも類などに多く含まれています。
アルギン酸
水溶性食物繊維というと、海藻のヌルヌルとしたものを連想する人もいるかと思いますが、昆布・わかめ・もずく・ひじきなどの褐藻類に含まれている水溶性食物繊維は、『アルギン酸』で、昆布やワカメを乾燥したものには、30~60%のある銀傘が含まれています。
『アルギン酸』は、海の中でミネラルと結合してアルギン酸塩になり、ゼリー状となって細胞の隙間を満たしています。
『アルギン酸』には、高血圧の予防やコレステロールの低下といったこうかが期待できます。
イヌリン
『イヌリン』は、菊芋やゴボウ、ニラなどに多く含まれる水溶性食物繊維で、フルクトースの重合体の構造をしています。
人間は『イヌリン』を分解する酵素を持っていないため、イヌリンはほとんどが吸収されず排出されてしまいます。
そのため、エネルギー量は砂糖の1/4から1/3程度で、低カロリー食品として利用されています。
『イヌリン』は、腸内で発酵分解されることによりフラクトオリゴ糖になり、カルシウムやマグネシウムの吸収を即死して、腸におけるバクテリアの活動を増進させるという報告もあります。
グルコマンナン
『グルコマンナン』は、コンニャクイモなどに含まれる水溶性食物繊維で、グルコースとマンノースがグリコシド結合した形になっている分子量が大きな多糖です。
コンニャクに多く含まれることから、別名コンニャクマンナンとも呼ばれ、便秘の改善やコレステロールの吸収抑制などの作用があります。
その他の主な水溶性食物繊維
それ以外にも、サイリウム、フルクタン、ペクチンなどの水溶性食物繊維が有名です。
『ペクチン』は、果物、特に柑橘類やリンゴなどに多く含まれる複合多糖類の総称で、ゲル化作用があることからギリシャ語の pektos(固くなった)が語源になっていると言われています。
『ペクチン』の構造は、ガラクツロン酸がα1,4けtごうしたプリガラクツロン酸が主成分になっていて、エステル化度が50%以上のものをHMペクチン、50%未満のものをLMペクチンと言ったりします。
『サイリウム』は、便秘薬に用いられる水溶性食物繊維で、プランタゴ・オバタの主旨または種皮に多く含まれています。
『フルクタン』は、低温でも凍らないという特徴をもっていて、たまねぎ、小麦などに含まれていて、フルクトースが多数重合した形になっています。