冬によく使われる漢方処方 | 健康トピックス

冬の時期によく使われる漢方処方は、体を温めて健康を維持する働きがあるものが多く用いられます。

冬は腎の季節

漢方医学では、五行説でいくと冬は「腎」の季節とされ、生命エネルギーの源と考えられています。

つまり冬は、腎の機能を高めることで、体全体の健康を促進することができるのです。

私達は冬になると、寒さによって血管が収縮し、血液の循環が悪くなってきて、「瘀血」と呼ばれる状態になるため、特に下半身が冷えやすくなってしまいます。

冬は寒さと乾燥の季節で、これらが相まって咽頭部や気管に影響を及ぼし、風邪やインフルエンザなどウイルスや細菌への感染のリスクが高まる季節でもあります。

冬によく用いられる漢方薬は、これらの症状を和らげるために、体を内側から温め、気血の循環を改善する効果があるものが多くなっています。

冬によく用いられる漢方処方

冬によく用いられる漢方処方と言えば、まずは『葛根湯』は外せないでしょう。

葛根湯は、風邪の初期症状に特に効果的な漢方薬で、風邪の引き始め、首や肩のこり、頭痛、腹痛、二日酔いなど幅広い効果があり、古典落語にも「葛根湯医者」なるものが登場し、どんな病気にも葛根湯を処方する「ヤブ医者」として揶揄されてきましたが、裏を返せば、それだけ葛根湯が非常に効果的な薬で、適切に使用すれば多くの症状に対応できるということを示していることになります。

葛根湯と並んで冬の漢方処方としてよく出るものに『麻黄湯』があります。

麻黄湯は、インフルエンザの初期症状に対して非常に効果的な漢方薬として広く認識されていて、特に悪寒や発熱、関節痛などの症状を和らげるために使用されます。

冬は、乾燥していて寒いことから喉の乾燥感や咳に悩まされる人も少なくなく、そうした症状に効く漢方処方として『麦門冬湯』があります。

麦門冬湯は、咳や喉の乾燥感を改善するために用いられ、特に、痰が切れにくい乾いた咳に効果があります。

漢方処方と養生法

漢方薬を効果的に活用するためには、漢方薬を飲んでいるから大丈夫というのではなく、日常生活においても養生法を取り入れることが大切です。

まずは食事ですが、寒い冬には温かい食事をとるよう心がけると良いでしょう。

体が冷えやすい時期になるので、特に温性の食品である生姜・にんにく・肉類などを積極的に取り入れるようにし、体を内側から温めていくことが免疫力のサポートという面からも大切です。

また冬はどうしても寒いことから運動不足になりがちですが、適度に軽い運動をすることで血液の循環が促進され、体温の維持にもつながります。

冬は、日照時間が短くなってくるため体内時計が乱れやすい時期でもあります。

規則正しい生活をし、しっかりと睡眠時間を確保して質の良い睡眠をとることも重要です。

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