ツボというと、東洋だけでなく西洋でもポピュラーな治療法になっています。
ピカソと言えば、知らない人はいないくらい有名なスペインが生んだ天才画家ですが、そのピカソも持病の坐骨神経痛をフランスの鍼治療で治していたという話は、鍼灸業界の中では結構有名な話だそうです。
ツボがあるのは人間だけではない
鍼灸の治療というと人間のためのものというイメージがありますが、実は豚や馬、牛といった家畜に対してもツボ療法が行なわれたりしています。
例えば、これら家畜ののツボを押したり、灸をすえたり、鍼を打ったりすると、リラックスしたり、疲労回復が早くなったり、乳の出が良くなったり様々な効果が表れてきます。
もちろん家畜だけでなく、犬や猫などのペットにもツボがあり、ペットに対して鍼灸治療を行うという人もいます。
ペットの椎間板ヘルニアを治療したりと実際に治療にツボが使われています。
人間のツボというと、多くの雑誌や書籍の中で、ツボの位置や効能が掲載されたものが出ていますし、ネットでもいろいろな情報があります。
動物でも似たようなものがあり、中国では、家畜やペットのツボの位置を示す図や模型がつくられていますし、アメリカでも人間のツボの位置を犬に応用した「犬のツボと経絡」を示した図が作られていて本としても出版されているようです。
マウスの実験でも効果があったツボ
実際にマウスのツボを刺激して、効果をみた実験が米科学誌『ネイチャー・ニューロサイエンス』にも掲載されています。
マウスの『足三里』というツボを刺激して、鎮痛作用のメカニズムについて調べられていて、『足三里』のツボを刺激することで、マウスの胃の働きが活発になることが証明されています。
動物のツボも人間のツボと似ている
動物のツボは、どんなところにあるのでしょうか。
実は、犬や猫のツボの位置は、概ね人間と同じようなところにあります。
もちろん全く違うところにあるツボもありますが、概ね同じようなところにあります。
また人間にはしっぽがありませんが、しっぽがある犬や猫は、そのしっぽなどに人間にはないツボが存在しています。
足三里というツボ
昔、長距離を歩く旅人が、足三里に灸をすえながら旅をしたというぐらい有名なツボです。
このツボは、足陽明胃経という経絡にあるツボで、全身倦怠・疲れはもちろんいろいろな効果があります。
足三里は、胃痛、腹痛、慢性病、虚弱体質、健康維持、病の予防、全ての胃疾患の特効穴、腸カタル、腸疝痛、神経衰弱、子宮・内臓の位置異常、消化器障害を伴う呼吸器疾患、悪阻、不眠症などに効果があります。