最近ではなんでもAIが用いられてきていますが、医療の分野も例外ではありません。
AIを使った診断
医療において『病気の診断』は、幅広い知識と専門知識、そして多くの経験を必要とする部分でもありますが、こうした分野にもAIが取り入れられています。
テレビドラマで米倉涼子さんが主演の Doctor X でも、AIを用いた診断などがでてきていました。
患者の症状から病名を判定して、適切な治療法の判断を下すためには、膨大な過去の症例や遺伝情報、そして医学論文などの医療情報を参考にしなければなりません。
こうした膨大な情報を整理し、その中から必要なものを取り出してくるのは、まさにAIが得意とする分野なのかもしれません。
さらには、医療の分野は日々進歩をしているので、新たに開発された治療技術や医薬品などの情報をアップデートしていかなければなりませんが、日常の診療に追われている医師が、こうした全ての情報に目を通してアップデートしていくのは、至難の業といえます。
このようなビッグデータの蓄積と解析においては、AIが得意とする分野で、まさに活躍の場といっていいでしょう。
ワトソン君が人命を救う
ワトソン君というと、探偵シャーロックホームズの相棒をイメージする人もいるかと思いますが、IBMが開発したAIの名前にもなっています。
このIBMが開発したAI『ワトソン』を使って、東京大学医科学研究所が2000万本以上の医学論文と1500万件以上の薬剤関連情報を学習させたところ、ある女性が極めて稀な白血病を患っていることを10分で見抜き、適切な治療法を割り出し、それに従い医師が治療薬を変更したところ、この女性の症状は改善し、退院するまでに回復しました。
もし、これと同じことをやろうとする人間がすると二週間はかかる計算になるそうです。
最後はやはり人間
このように、AIは優れているのですが、何でもかんでもAIというようにAIを盲目的に崇拝するのは危険なことです。
AIができることは、あくまでの疾病の可能性の示唆とその治療薬候補の提案です。
あくまでも医師の診断治療をサポートするというもので、こうしたAIが提案した疾病の確立や治療薬候補をみて、最終的に診断し治療法を選択する最終判断は医師ということになります。
また、AIの大きな弱点として、インプットの質が問題となってきます。
どんなに膨大な情報を入力したとしても、その情報が間違っていたり、信憑性がなかったら、そもそもその判断も信憑性に乏しいものになってしまいます。
いかにインプットする情報をきちんと精査し、その後のアップデートもきちんとやっていくかということも大きな課題といえるのかもしれません。