国際オーソモレキュラー医学会とウイルス感染予防の栄養療法 | 健康トピックス

国際オーソモレキュラー医学会の医師たちは、今後起こりうるウイルス感染の予防や症状緩和のための栄養療法を示しているのでご紹介します。

オーソモレキュラー医学会とは

国際オーソモレキュラー医学会の医師たちは、今後起こりうるウイルス感染の予防や症状緩和のための栄養療法を推奨しています。
(参考:一般社団法人 日本オーソモレキュラー医師会(JSOM)
  https://isom-japan.org/static/page?page=about_us )

オーソモレキュラー医学とは、50年前、2度のノーベル賞を受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士により提唱された「ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素を、分子レベルで最適な量で投与し、病気の予防や治療をする医学」です。

オーソモレキュラー医学会は、カナダで設立され、予防目的での栄養療法にとどまらず、最新のエビデンスに基づく治療レベルの栄養療法の普及を目指し、アメリカや日本をはじめ21カ国の学会が加盟し、日本でも約800名の医療・ヘルスケア従事者が会員として活動されています。

オーソモレキュラー医学会の医師たちが推奨するウイルス感染対策のための栄養療法

以下に、ウイルス感染の予防や症状緩和のための大人に対する栄養療法における推奨量を示します。
なお、子供に対しては体重によって服用量を変えていく必要があります。

*ビタミンC:
  3,000mg /日以上を分けて服用
*ビタミンD3:
  2,000IU /日 (1日5,000IUで開始、2週間後から2,000IUに減量)
  (2,000IUは50μgに相当)
*マグネシウム:
  400 mg /日
  (クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム、マグネシウムキレート、塩化マグネシウムとして)
*亜鉛:
  20 mg/日
*セレン:
  100 μg /日

ビタミンCと同時に、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛、およびセレンを一緒に摂取することで、ウイルスに対する免疫機能を強化するとしています。

ビタミンに対する効用について

日本では、ビタミンのエビデンスが高い効用ということになると、栄養機能食品に記載されている栄養機能表示レベルのことまでということになります。

ビタミンの効用を考える観察試験は多く行われていますが、医薬品のようにエビデンスが高い無作為の二重盲検試験などをして効果を確かめるというようなことになると、なかなか行われていないのが現状です。

観察試験ですと、たしかにエビデンスは弱く、また本当にビタミンの効用によるものなのかの因果関係もはっきりしないという問題もあります。

そんな中、ビタミンについては、風邪をひきにくくなる可能性など、いろいろな研究がされています。

「BMJ Nutrition, Prevention & Health」10月27日オンライン版では、ビタミンA、D、Eの摂取量が多い人は、風邪をひきにくい可能性があるとするという論文も発表されています。

観察試験では、例数を集めるのも大変ですし、いろいろな要因が絡んでくるので、結果がでてもなかなかそれがビタミンによる影響なのかを判断することが難しくなってしまいます。

ビタミンといえば、誰もがしっている私たちにとっておなじみの栄養素ですが、その効用についてはまだいろいろと研究途中の段階であることが多いようです。

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