遠足の前の日は、明日は楽しい遠足だということで、興奮して眠れないのかもしれません。
せっかく早く寝たのに眠れない
遠足のケースは、楽しみによる興奮という要素があるのかもしれませんが、それでは例えば明日は朝早く出社しなければならないから、いつもは1時に寝ているんだけど、今日は23時に寝ようというケースもあると思います。
この場合も、経験がある人ならわかるように、たまに早く寝たからといって、すぐに入眠できるものではありません。
これは、人間の体内時計、日内変動があるからで、いきなりそのパターンを崩しても、なかなか体が順化できないのです。
フォビドンゾーン
睡眠に関しては、『フォビドンゾーン』という言葉があります。
これは、いつも寝ている時間の前の2時間になります。
例えば、いつも1時に寝ている人は、それより前の2時間、つまり23時から1時までの2時間が『フォビドンゾーン』といわれる時間帯になります。
『フォビドンゾーン』とは、進入禁止域という意味で、脳が眠りを拒む時間帯になります。
つまり、いつもねている時間帯の2時間前からいつも寝ている時間までの間の2時間は、なかなか入眠しにくい時間帯なのです。
この時間にベッドに入っても、かえって目がさえてしまってなかなか眠れないのです。
昼間ずっと起きていれば、睡眠圧がだんだん上昇してきて、自然に眠くなります。
普通に考えれば、寝る直前に睡眠圧が最も高くなっているはずなのですが、1日を20分に区切って行われた睡眠実験では、実験での20分の内訳は、13分起きて、7分寝るというもので、この7分の睡眠時間に、眠りに落ちる頻度を眠気の強さとして図っています。
その結果、このフォビドンゾーンが最も眠りにくいということがわかったのです。
夕方から高まってくる眠気を抑え込んで、夜まで活動するために、各勢力が働き、睡眠圧の高まる就寝前にフォビドンゾーンの減少が強く表れるのです。
明日朝早いのにどうしよう
明日朝が早いからといって、いつもより1~2時間早くベッドに入っても、なかなか思うように寝付けないということは、フォビドンゾーンのことを考えると理解できます。
では、明日朝が早い場合はどうしたらよいのかというと、もちろん前々からわかっていれば、1週間とか10日前ぐらいから、徐々に寝る時間を10分ずつ前倒ししていくというような方法もありますが、それができない場合は、無理に速く寝ようとするよりも、いつもの時間に寝て早く起きるほうが、睡眠時間は短くなったとしても、睡眠の質は守られるのです。
質の良い睡眠を考える場合、どうしても就寝時間に目がいきがちですが、それよりも朝は必ず決まった時間に起きるということが大切なのです。