日本人の8割が歯周病って多すぎない? |トピックス

歯の2大疾患の一つである歯周病は、知らず知らずのうちに進行して、やがては歯を失ってしまうことになります。

歯周病が日本人の8割って本当? 多くない?

平成29年(2017)「患者調査の概況によると、日本での歯肉炎及び歯周疾患の総患者数は398万3,000人となっています。

40代後半からは虫歯よりも歯周病の方の割合が高くなっていて、歯周病の罹患者数は成人の約8割とも言われています。

あれ? 398万3,000人と日本人の8割ってずいぶん開きがあるし、治療を受けていない患者を入れたとしても違いすぎるのではと思った人もいると思います。

さすがに、日本人の8割は非常に大きくウソだろ?と思っても仕方ありませんが、本当なのです。

実は、歯周病に関しては、WHOが歯周疾患の診断法で、地域の歯周疾患の状態を示し指標として、地域歯周疾患指数(CPI:Community Periodontal Index)を提唱しています。

それによると、歯周病を歯肉出血・歯周ポケット・歯石の3つの指標により0~4の5段階に分けています。

コード0: 健全
コード1: 出血
コード2: 歯石沈着
コード3: 浅い歯周ポケット
コード4: 深い歯周ポケット

これで、健全というコード0を除くコード1~コード4でみると、8割の人が当てはまってしまうのです。

歯周病を進行させやすい日本人

現代の日本は、飽食の時代でお菓子・スイーツをはじめ手軽に甘いものが手に入ります。

さらに、日本は国民皆保険なので、症状が出てから歯科医にいっても治療費が安くすむということもあります。

また、日本人独特の性質で、周りの人も歯科医に行っていないしということで、特に症状がなければ歯科医に行かない人も多いと思います。

それゆえに、無症状のうちに歯周病がどんどん進行してしまうという原因にもなっています。

バイオフィルム対策の重要性

歯周病の原因は、プラークの中に潜んでいる原因菌になります。

歯を磨かずに時間が経つと、ネバついた汚れが歯肉の周りや歯間に溜まってきて、そこがバイオフィルムという原因菌の巣窟になってしまいます。

バイオフィルムは、水まわりのヌメリのようなものです。

水まわりのヌメリも細菌・雑菌によってでてくるものですが、かなりゴシゴシこすらないと落ちません。

バイオフィルムとなって固まった巣窟に存在する歯周病原因菌は、うがい薬や抗菌薬に対して強力な抵抗性をもってしまうことが知られています。

歯周病の治療にも使われている抗菌剤のジスロマックに対して、バイオフィルムに潜む歯周病菌は、バラバラに存在している歯周病菌と比べると、500倍もの抵抗性を持っているとされています。

だからこそ、水まわりの汚れを落とすように、バイオフィルムを物理的にこそげ落とす掃除が大切になってくるのです。

従って、日々のブラッシングや、歯科でのクリーニングが必要になってくるのです。

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