東洋医学で目を見て診断 | 健康トピックス

漢方をはじめとした東洋医学では、診療に際しては『四診』を行います。

四診の中の望診

『四診』とは、望診・聞診・問診・切診のことです。

『聞診』は文字通り聴覚と嗅覚からの情報で、現代医学で言えば聴診も聞診に含まれます。
しゃべり方や声、咳や呼吸音、腸の鼓動音などをみていくものになります。

『問診』は、現代医学の問診と同じで、患者から症状の経過などを聴取することになります。

『切診』は、患者の体に直に触れるもので、脈診や腹診などがこれに該当します。

『望診』は、「望んで(臨んで)診る」ということから、患者を診て感じ取る第一印象ともいえるもので、視覚による患者さんからの情報で、動作や歩き方、顔色や表情、皮膚や爪、頭髪、唇などを観察するもので、漢方では特に舌の色調や形、舌苔などをよく観察したりします。

望診によって、病気の状況や患者の状態などの大局をつかみ、患者の気が十分にあるかどうかなども診ます。

漢方での目の所見

望診では、目もよく見ますが、漢方をはじめとする東洋医学では、「肝は眼に開竅(かいきょう)する」と言われ、眼の所見は肝や胆の異常として表れることが多いとされています。

まずは、眼に力があるかどうかを確認します。

眼に力があって、意識清明で気力もしっかりしていて応答がはっきりしていれば正常、たとえ意識清明であったとしても、眼に力がなく気力が感じられず、応答もはっきりしない場合は、意識低下があり気虚という判断になります。

人はよく目を見て話しますので、その時にしっかりと目の望診を行っていたりします。

もしカルテばかり見ていて患者をあまり視線を合わせなかったりしている場合は、きちんと目の望診がされていない可能性があります。

『眼は心の窓』という言葉もあり、『目ヂカラ』という言葉もあるとおり、眼は意識や精神状態を非常によく反映しているところでもあり、気が充実しているかどうかの判断もできるのです。

実際の目の望診

目の望診は、結膜・角膜・眼瞼・眼窩・眼位などを診ます。

結膜は白く、角膜は清明で、斜視などがなければ正常です。

例えば、結膜が黄みがかっていたら湿熱、充血していたら風熱、青ぽかったら血虚肝気鬱血があると判断されます。

風邪からくる結膜炎で目が充血しているなどといった場合は、まさに風熱の状態であるといえます。

ドライアイなどは、その多くは肺陰不足、脾胃湿熱、肝腎虚弱、陰血不足などの要素と深く関わりがあります。

角膜が混濁していれば湿熱、眼瞼が浮腫状態なら水湿、眼瞼に発赤があれば熱証、下部にくまがあれば血瘀などと判断されます。

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