検査では異常がないのに胃がもたれて重い機能性ディスペプシア | 健康トピックス

バリウムなどのレントゲン、内視鏡検査・胃カメラ、腹部超音波検査などで検査をしても、特に異常がみられないのに、食べてしばらく胃が重くもたれた感じがしたり、ちょっとしか食べていないのにおなかがいっぱいになってしまったりするケースがあります。

これは、機能性ディスペプシアと呼ばれています。

機能性ディスペプシアの症状

機能性ディスペプシアの症状としては、食後の胃もたれ感、少ししか食べていないにもかかわらずおなかが苦しくてそれ以上食べられないといったものがあります。

また、食事とは関係なく胃が痛かったり、胃のあたりが灼けるように感じたりするという症状があったりもします。

みぞおちあたりが張ったり、重苦しかったり、ムッとするといった表現をする人もいます。

つらいと感じるほどの食後の胃もたれ、早期膨満感は「食後愁訴症候群」と言われます。
またみぞおちあたりの痛みや灼けるような感じ(心窩灼熱感)は、「心窩部痛症候群」と言われます。

こういった症状が、慢性的または反復的に一定の頻度であらわれます。
だいたい、6カ月以上前から症状があり、3カ月前ごろから週に1~数回以上、このような症状がみられます。

機能性ディスペプシアという病気

以前は、症状を訴えるも、検査をしても異常ではないので、「気のせいでしょう」とか「ストレスが原因ですね」という形でかたずけられてしまい、神経性胃炎や慢性胃炎、ストレス性胃炎などと診断され、治療の対象にすらされないケースもありましたが、だんだん『機能性ディスペプシア』というものが認知されるようになってきました。

最近の家庭向けの医学書などをみても、きちんと『機能性ディスペプシア』と記載されていたりします。

機能性ディスペプシアは、消化不良を意味するギリシャ語が語源になっていますが、日本では2013年に保険病名として用いられるようになりました。

『機能性ディスペプシア』は、胃を中心とする消化機能の異常により種々の上腹部不定愁訴をきたす疾患の総称となっていて、潰瘍などの気質的疾患の存在がないものとされていますが、「ディスペプシア」は、「消化不良症」ということになります。

意外と多い機能性ディスペプシアとその原因

日本では、機能性ディスペプシアは、健康診断を受診した人の10~15%にみられ、また胃の不調で受信した人の約半数に認められているというデータもあります。

食後愁訴症候群は、特に検査で器質的な異常が見られないのであれば、胃の働きが低下しているから起こってきます。つまり胃の運動機能障害になります。

心窩部痛症候群は、特に検査で器質的な異常が見られないのであれば、胃酸に対して胃や十二指腸の粘膜が敏感になって症状がでてきています。

その背景には、胃の運動機能や知覚機能といった異常を引き起こす自律神経の乱れがあると考えられます。

つまり、自律神経の乱れを引き起こすものが大きな原因と考えられ、過剰なストレスや不安たその原因の筆頭としてあげられます。

人間関係の悩み、精神的ストレス、過労や睡眠不足、過度の飲食や喫煙といった身体的ストレスも機能性ディスペプシアの原因になります。

機能性ディスペプシアの治療法としては、胃の運動を調整する薬や、胃酸を止める薬、ストレスを緩和する薬などが処方されたりする場合もありますが、機能性ディスペプシアの改善には、生活習慣の見直しも大切になってきます。

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