機能性ディスペプシアは、自律神経が過剰なストレスなどによって乱れることによって、胃を中心に運動機能や知覚機能の異常が現れてきます。
食事をしてもすぐにおなかがいっぱいになる食欲不振があったり、胃がもたれて重かったりお腹が張ったり、みぞおちが痛んだり灼けるような感じがあったりします。
機能性ディスペプシアの検査
機能性ディスペプシアの場合、バリウムによるレントゲン、腹部超音波、胃カメラなどによって器質的変化がみられません。
では、どうやって検査をするのでしょうか。
機能性ディスパプシアは、日常の診断で行われる一般的な検査で、見た目で明らかな異常がないのに、慢性的または反復性に一定の頻度で食後愁訴症候群や心窩部痛症候群などのつらい症状が続いている状態ということになります。
症状があり器質的な変化がみられない場合は、機能性ディスペプシアということにもなるのですが、機能性の病態を明かにする検査法もあります。
胃排出機能検査
機能性ディスペプシアの人の25~40%に、胃の運動機能の低下により胃排出の異常がみられるといわれています。
胃からの排出が遅れるということは、それだけ胃に食べ物が長い時間たまっているので胃もたれの原因になります。
そこで、代表的な検査法として、炭素(カーボンサーティ)呼気試験法があります。
炭素の放射能を出さない安定同位体であるカーボンサーティで標識をした脂肪酸を食事に混ぜて食べます。
そして時間を追って、呼気に含まれるカーボンサーティで標識された二酸化炭素の存在比を測定していきます。
胃排出機能が落ちている場合は、いつまでもカーボンサーティで標識された二酸化炭素が多く検出されます。
ドリンクテスト
これは、胃が知覚過敏になっているか、適応性弛緩障害があるかなどを調べることができます。
水などの液体を多く飲むと、胃が膨らんできますが、このとき、どのぐらいの量を受けいれられるかを見るのです。
体重に合わせて一定量の水を飲み、膨満感の強さと持続時を調べてスコア化していきます。
機能性ディスペプシアの人は、胃の適応性弛緩障害や知覚過敏が40~50%の人に見られるとされていて、このドリンクテストをすると、約85%の人が中等度以上の腹部膨満感を訴えます。
機能性ディスペプシアになりやすい人
機能性ディスペプシアの人は、自律神経が乱れやすい人です。
自律神経は、加齢によって乱れやすくなります。思春期、更年期、老年期といった時期も体に大きな変化があり、自律神経を乱しやすくする時期なので、こうした時期の人は、機能性ディスペプシアになりやすいといえます。
自律神経の乱れということから、気温や気圧といった外的変化が起こる時期、季節の変わり目も起こりやすい時期と言えます。
年度の変わり目も、周りの環境が変わったり、人間関係が変わったり、緊張しやすい時期になるので、自律神経が乱れやすいので注意が必要です。
女性の場合は、女性ホルモンのバランスが乱れがちな人に発症しやすいと言われています。
男性の場合は、まじめで神経質な人に多い傾向があります。