日本では、血圧においては、高血圧の基準は、家庭血圧で135/85mmHg以上、診察室血圧で140/90mmHg以上と定義されています。
さらに正常血圧の基準は家庭血圧で115/75mmHg以下、診察室血圧で120/80mmHg以下になっています。
血圧は、高齢者は分けて考えるべき
しかし、近年、高齢者の血圧管理においては、血圧は下げすぎないほうがいいという見解を出している専門医も多くなってきていて、2017年7月に日本老年医学会が発表した『高血圧診断のガイドライン』では、75歳以上の場合は、それ未満の世代と分けて考える必要があり、血圧の目標数値は、最高血圧が150mmHg、最低血圧が90mmHgとされています。
そして、自宅で血圧を頻繁に測定したほうが、自分の血圧を普段から把握でき、意識して行動するようにもなるので、血圧は下がりやすいと言われています。
血圧は正しく測る
せっかく血圧を測っても、正しい測り方をしていないと、正確な血圧を把握することはできません。
測る回数や時間になりますが、血圧は朝・夜、毎日同じ時間にそれぞれ2~3回ずつ測ると良いでしょう。
朝は起きてから1時間くらい経って、洗面や排泄が終わった後に測ります。
夜の測定時間は、夕食の前が良いでしょう。
なぜならば、食事をすると血液が腸に行くため血圧が下がるからです。
1回だけの測定だと数値に偏りが出てくる可能性があるので、3回は測定して平均を取るようにすると良いでしょう。
血圧を測るときは姿勢も重要になってきて、椅子に座ってリラックスした状態で測ります。
血圧を測定するときは両足は組まずに床につけて、テーブルなどの上に血圧計を置いて、血圧計が心臓と同じ高さにくるようにし、腕の力を抜き、手のひらは上に向けて測定します。
血圧は、右腕で測るべきなのか、左手で測るべきなのか、左右の腕で血圧が変わってくることがあります。
どちらということはないですが、血圧を測る腕はどちらかに決めておいたほうが良いでしょう。
毎日血圧を測っていて、1カ月で20も変化するといった急減な変化がみられたときは要注意です。
血圧の許容範囲
血圧は60歳を超えたくらいから数値の許容範囲が変化していきます。
もちろん60歳を超えても血圧が正常範囲というのであれば問題ないのですが、60代で血圧が120mmHg/80mmHgを目指すというのは、現実的ではありません。
140mmHg/90mmHg前後であれば、薬というよりもまずは運動療法などがオススメで、この数値を大きく超えるというのであれば薬も選択肢に入ってきます。
注意したいのが最高血圧と最低血圧の差である『脈圧』で、この数字が開いているとリスクが高くなります。
『脈圧』は歳とともに大きくなる傾向にあり、大きくなってくると動脈硬化が進んでいる兆候になります。
『脈圧』は、40~60程度が健康的と言われています。
『脈圧』は、血圧サージ(主に早朝などに血圧が急上昇する)が起きているかどうかの指標にもなるので、もし60を超えてきているような場合は、注意しても良いでしょう。
イメージに反して、血圧が150mmHg/80mmHgよりも、150mmHg/110mmHgのほうが健康的とも言えます。