肥満というと、見た目が太っている人のことだけど、自分はそれほど太っていないからひと安心という人も多いと思います。
ところが、見た目は太っていなくても、リスクがある人がいます。
隠れ肥満(サルコペニア肥満)
日本の基準では、腹囲(腹まわり)が男性で85cm以上、女性が90cm以上という線引きになっていて、これに該当すると、内臓の周りに体脂肪がたまりすぎた『内臓脂肪型肥満』とみなされます。
いわゆるこうした『内臓脂肪型肥満』は、生活習慣病の原因となる危険な肥満とされています。
ところが、若い人でも皮下脂肪がたまっている『皮下脂肪型肥満』が存在します。
この『皮下脂肪型肥満』は、糖尿病や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病のトリガーにはならず、いざというときに使えるエネルギーを体に貯蔵し、体を保温する役割を担っています。
注意しなくてはいけないのが、見た目は太っていなくても、体脂肪がたまっているという人で、これが、生活習慣病予備軍、メタボ予備軍とされる隠れ肥満になります。
見た目は太っていなくても要注意な人
肥満は、お腹が出て恰幅が良い中年男性などをイメージする人が多いと思いますが、見た目は太っていない人でも、体に脂肪がたまっている『隠れ肥満(サルコペニア肥満)』に注意しなければなりません。
健康のためには、正しい食生活と運動習慣と良く言われますが、運動不足で筋肉を使わないでいると、筋肉はどんどん減ってしまいます。
加齢や運動不足で筋肉が減っている状態で脂肪が蓄積してきてしまうため、見た目は普通で、体重も普通と変わらないのに、体脂肪率が高くなってきます。
体脂肪率が高く、筋肉が少ない状態がいわゆる『隠れ肥満』で、筋肉減少のことをサルコペニアといい、これに肥満が合併した形になっているので、『サルコペニア肥満』とも言われます。
どうやって見抜く、隠れ肥満
隠れ肥満は、見た目からは判断できません。
『隠れ肥満』は、普通の体重で、昔から体形がそんなに変わっていないよっていう人でも起こり得て、40代で既に予備軍になっている人もいます。
若い人でも、ダイエットにより食事制限などをすることで筋肉が減ってしまい、サルコペニア肥満(隠れ肥満)になっている可能性もあります。
『隠れ肥満』であるかどうかは、筋肉量の低下、筋力の低下、歩行速度の低下があるかの3点で確認できます。
『筋肉量の低下』は、両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲んだとき、隙間ができた場合は、筋肉量が低下している可能性があります。
『筋力の低下』は、一番わかりやすいのが握力で、握力計で測定し、男性は28kg未満、女性は18kg未満だと筋力が低下しているといえます。
また、ペットボトルやジャム・はちみつなどの瓶のふたが自力で開けられなかったり、靴下を片足立ちで履けないといった場合も筋力低下のサインといえます。
『歩行速度』は、1m/秒以下の場合は、要注意で、横断歩道で青信号のうちに渡り切れないということがよくある場合は、注意が必要です。
『隠れ肥満(サルコペニア肥満)』を改善うるには、体脂肪を減らしつつ、筋肉量を増やすことが重要で、良質の蛋白質をきちんと摂取するとともに、脂質や糖質の量を減らしていくと良いでしょう。
ただし、摂取カロリーを制限しすぎてしまうと、かえって筋肉がつきにくくなるので注意が必要です。
また、スクワットや腹筋運動などのトレーニングも取り入れてみると良いでしょう。