色は、色相(hue)、飽和度{彩度}(saturation)、明度(lightness)の3つの要素で表すことができます。
色覚と三原色
太陽光をプリズムに通すと、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の連続した色相の配列に分かれますが、赤と緑と青を適度に配合すると、あらゆる色相の色が作り出されるのです。
この赤・緑・青が三原色と言われ、基本となる原色の波長は、赤が700nm、緑が546nm、青が435nmです。
飽和度{彩度}は、色の純粋さを表すもので、純粋な単色光に無彩色要素の白色光を混ぜると飽和度{彩度}は低下していきます。
明度は同一色相の光の物理的エネルギーによって決まります。
それでは、どうして人は色を感じることができるのかというと、目の一番奥には網膜があり、そこには暗いところではたらく桿体(かんたい)と、明るいところではたらく錐体(すいたい)の2種類の視細胞が存在します。
桿体・錐体それぞれ光に反応して、桿体は明暗の感覚を、錐体は色の感覚をもたらします。
桿体は1種類ですが、錐体にはL錐体、M錐体、S錐体の3種類が存在していて、L錐体は赤色(長波長付近の光)、M錐体は緑色(中波長付近の光)、S錐体は青色(短波長付近の光)に高い感度で反応する視物質をもっています。
ちなみに、L錐体、M錐体、S錐体のL・M・Sは、吸収光の波長の頭文字 short、medium、long からきています。
それらが光を吸収して興奮することで、その刺激がシグナルとなり視神経を通って脳に伝達され色として認識されるます。
自然界には白色がない?
実は自然界には「白」という色は存在しません。
なぜならば、全ての光が反射すると物体は「白」に見えるのですが、光を100%反射する物体はないからです。
ノーベル化学賞を受賞したドイツの化学者オストワルトが考案した「オストワルト表色系」では、完全なる白を「理想の白」と定義しています。
また三原色を混ぜ合わせると黒っぽい色にはなりますが、あくまで黒に近い色であって黒色ではありません。
基本的に、三原色と白色、黒色があれば、ほぼ全ての色を作ることができる一方で、三原色の赤・緑・青を他の色から作ることはできません。
犬・猫の色の世界
動物の色の世界は、どのようなセンサーつまり錐体をもっているかによって変わってきます。
人間の場合は、L錐体、M錐体、S錐体の3センサーですが、猫は青・緑、犬は青・黄の2色に反応するセンサーなので、そこから作れない色は灰色に映っているものと推測できます。
つまり猫は赤と黄、犬は赤と緑を識別できていないのではないかと推測できます。
一方、鳥は4センサーを持っていて、紫外線も認識できるとされています。