論理問題に挑戦するときに、いくら論理力があっても、問題文を正確に読み取る力がないと正解できなかったりします。
問題文を正確読むというと口で言えば簡単ですが、実際には思い込みなどで間違ってしまう場合もあります。
3人のペット
さっそく、具体例として問題を出して、どういったところに注意しなければならないかみていきます。
【問題】
犬さん、猫さん、鼠さんという名前の3人が喫茶店で食事をしていました。
すると、その3人のうちの1人があることに気づき発言しました。
「ここにいる3人は、それぞれ犬、猫、鼠を飼っているんだね。」
これを受けて、犬を飼っている人がそれに対して次のように言いました。
「そういえば、誰も自分と同じ名前のペットは飼っていないってことになるね。」
すると鼠さんが、「それじゃ鼠を見てみたいな。飼っている鼠を今度持ってきて見せてよ。」
しかし、最初に気づいた人は、鼠は飼っていません。
猫さんは何を飼っているのでしょうか?
問題の考え方
【解説】
一見簡単そうな問題ですが、問題文をしっかりと読み込まなくてはならず結構ややこしい問題になります。
こうした論理問題はよく、〇〇だと仮定したらという形で検証していき、途中で矛盾がでたらこれは違う、それじゃこういうふうに仮定したら・・・といった形で矛盾を生じるものを消していき、最後まで残り辻褄が合うものを見つけていくというような方法がよくとられます。
最初に気づいたのが犬さんだと仮定してみると、問題文の最後のほうで「最初に気づいた人は鼠を飼っていない」とあることから、最初に気づいた人が飼っているのは、犬か猫になりますが、自分の名前とは違うペットを飼っているという条件があるので、最初に気づいた犬さんが飼っているのは猫になります。
次に、犬さんの発言を受けて、犬を飼っている人が発言していますが、犬を飼っているのだから、この発言は猫さんか鼠さんになります。
ところが直後の最後に鼠さんが発言しているので、この発言は猫さんだということになります。
整理すると、最初に気づいたのは犬さんで鼠を飼っていない、2番目は猫さんの発言で犬を飼っている、最後の発言は鼠さんで鼠を飼っていないとなりますが、犬さんも鼠さんも鼠を飼っていないので、2番目の猫さんが鼠を飼っていないとおかしなことになりますが、猫さんは犬を飼っているので矛盾してしまいますので、最初に気づいたのは犬さんという仮定はくずれます。
最初に気づいたのが猫さんだとすると、2番目の発言が犬を飼っている人なので、最初に気づいて発言している猫さんは、犬と猫ではなく鼠を飼っていることになります。
ところが、最初に気づいた人は鼠を飼っていないという文と矛盾がでてくるのでこの仮定も却下です。
すると、最初に気づいたのが鼠さんだというケースが正しいということになり、これを検証します。
最初に気づいたのが鼠さんで、その発言に対して、犬を飼っている人が発言しているので、最初の鼠さんは猫を飼っていることになります。
そして2番目に発言している犬を飼っている人は、猫さんになります。
そして残ったのが、犬さんで鼠を飼っていることになります。
つまり、猫さんが勝っているのは犬ということになります。
ここがポイント
この問題文では、最後に鼠さんが発言しているため、最初の発言は鼠さんではないと思い込みがちですが、それを決定づける記述は、問題文の中にはどこにも出てきません。
思い込んで、無意識のうちに答えの選択肢からはずしてしまうと答えが出しにくくなってしまうのです。