農耕をすることで効率よく作物を収穫することができ、人間は安定して食物を得ることができるようになりました。
しかし、この農耕を覚えたことにより、人間の体にはミスマッチが起こってきています。
人間の体はプログラミングされている
人間の体は、遠い先祖の代から、いろいろとDNAによってプログラミングされています。
もともと人間のDNAが完成されたときは、糖質制限型の食事でした。
約600万年前に誕生したと言われている類人猿のような人間の祖先は、農耕などというような作業をしないでいました。
人類誕生も約250万年前で、農耕が産まれたのが約1万年前と言われています。そして、農耕により糖質を思いきり大量に食べられるようになった時代は、本当にこの数十年といったところです。
ところが、人間のDNAはもともと糖質制限の仕様でプログラミングされているため、ミスマッチがおきてくるのです。
本来の食事を摂っているほど生命力は強い

ここで米国カルフォルニアのフランシス・ポッテンジャー博士が行った実験をご紹介します。
彼は、副腎切除の手術を行っていた猫で、手術中に死んでしまう猫と生き延びる猫がいることに疑問をもち、本来の生のエサを与えられた猫ほど生命力が強いという結論を出しています。
肉もミルクも生で与えられている猫は、全身の骨格が良く、口蓋が大きく歯並びもきれいで、毛のつやも良く、寄生虫が少なく、繁殖も旺盛であったことを発見。
一方、調理した肉や殺菌乳を与えていた猫は、退化が起きていました。
さらに、退化した猫を元に戻そうと、生肉と生乳のエサに変えてみたところ、2世代目の猫をなんとか正常に戻すのに4世代かかったとのことです。
最近、すぐにキレる子供が増えたとか、アレルギーの人が増えたというのも、昔から比べての食習慣の変化というものが大きく関わっている可能性が大いにあります。
伝統食を守っている原住民の体
伝統食を守っているということで有名なイヌイットは、魚と魚の卵、アザラシの脂などを主食としています。
伝統的な食事で、動物性の油脂を自然なままの形で食べていて、健康体ときれいに並んだ歯を持っています。歯を磨かなくても虫歯や歯並びの乱れ、不正咬合などはめったにないようです。
その一方で、欧米の白人近代的食生活に移行した人たちは、歯並びが悪く、顔の形もかわってきています。
商業的に持ち込まれた砂糖、精白穀物、殺菌牛乳、加工油脂などにより、本来DNAにプログラムされたものとは違う食生活を強いられることになっていきます。
つまり、食生活がもともと組み込まれているDNAのプログラムとミスマッチすることにって、虫歯になったり、免疫力が低下したりと、退化が見られるようになりました。