食べた後は右を下にして横になるといいって本当? | 健康トピックス

食べ物と食後の姿勢は健康に大きな影響を与えるとも言われています。

食後は横になっていいのか、寝ていいのか、運動をすべきなのか、いろいろな疑問に対して、どのようにしたらよいのかをまとめてみました。

食べてすぐ横になると牛になるって本当?

昔は、食事をしてすぐにゴロゴロとする子供に対する躾として、「食べてすぐ横になると牛になる」と言われました。
実際に言われたことがある人もいるかと思います。

まさか、食べてすぐ横になると本当に牛になってしまうなんていうことを真に受けている人はいないと思いますが、食後にすぐ横になったり、眠ったりするのは行儀が悪いことから、子供への躾としてこのようなことが言われるようになりました。

牛は、食べるとすぐに横になっていることが多いことから、牛になぞらえて言われるようになったとされています。

牛は食べるとすぐに横になる理由

牛は、反芻胃をもった動物で、食べたものを口の中に戻して再び噛みなおしたりしています。

このとき横になっていたほうが体にかかる重力が小さいので、食べたものを口の中に戻しやすくなります。牛が食べてすぐに横になるのにはこうした理由があるのではないかと言われています。

食べてすぐ横になるのはNGか

結論を言うと、食べた直後はむしろ横になったほうが良いということです。

食べたあとは、歩くなどの軽い運動をしたほうが健康に良いと言われています。
食後は血糖値が上昇してきますが、体を動かさず休んでいると血中で上がってきた糖がほとんど使われなずに脂肪として蓄積してしまうため、太りやすくなるということが言われています。

あれ? 横になったほうが良いと言っておきながら、軽い運動したほうがいいってどういうこと? と思うかもしれませんが、食べた直後は横になったほうがよく、30分ぐらい経ったら軽い運動をしたほうが良いということです。

食後すぐに運動をするのは控えたほうが良いでしょう。そんなことをすると消化不良になってしまいます。

食事の直後は食べたものを消化するために胃腸に血液が集中します。満腹になると眠くなるのも脳の血流量が減り、胃腸に血液が集まってくるからです。

ところが食事直後に運動をしてしまうと、消化のために胃腸に向かう血液が筋肉に回ってしまうため、消化能力が落ちてしまいます。

横になるといっても、眠ってしまってはいけません。
なぜいけないのかというと、眠ってしまうと胃腸の働きが悪くなり、かえって消化に時間がかかって胃腸の負担が増えてしまいます。

実際に食べたものが脂肪に変わるまでには48時間かかると言われていて、さらに外見で脂肪がついたなとわかるレベルになるのは1~2週間ほどかかると言われています。

これは何を意味するのかというと、食べ過ぎたから翌日食事を抜けばチャラということにはならないということとともに、食べてしまった分、48時間の中でいかに代謝をしていくかということを考えるべきだということになります。

食後の運動はどのタイミングではじめれば良いのか

もちろん個人差もあると思いますが、食後の運動の目的に血糖値を上げないためというのがあります。

一方、血糖値は食後1時間前後にピークになってきます。

したがって、食後の血糖値上昇を抑えるためには、食後1時間以内となりますが、あまり早く運動を始めると、消化機能が落ちてしまいます。

食後30分~1時間の間に軽い運動をするというのがオススメです。

食べた後は右を下にして寝た方がいいのか、左を下にして寝た方がいいのか

食べた後、右を下にして寝ると良いということが言われたりしますが、実際どうなのでしょうか。

食後は右を下にして、つまり右側臥位で寝ると良いという理由としては、食べ物は胃から十二指腸へと消化され運ばれていきますが、十二指腸は体の右側にあるので、右を下にして寝た方が食べたものがスムーズに運ばれやすくなるというのが大きな理由になっています。

食後は左を下にして、つまり左側臥位で寝ると良いという理由としては、一般的には右気管支の方が左に比べて太く傾斜が急なので、誤嚥して気管に食物が流れ込みやすいのは右気管支で 誤嚥性肺炎は右肺で起こる可能性が高いことから、これを防ぐには左を下にして寝た方が良いということがあげられます。

個人個人で状況は変わってくるので難しい判断だと思います。

消化物の走行の観点から考えると、食後は右を下にして寝るのが良いということになります。
しかし左を下にして寝た方が、きちんと食べ物が消化管に長くとどまるので消化不良を起こしにくく、消化吸収を助けることにもつながり、リンパの流れ改善にもつながり、誤嚥性肺炎を起こしにくいとも言われています。

特に、誤嚥を起こしやすいとか、胃腸が特殊な形をしているということでなければ、寝てみて心地よく感じるほうで良いと思います。

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