初老期になりやすいうつ病 | 健康トピックス

初老期はうつ病を発症しやすいと言われています。
さて、『初老』と言うとだいたい何歳ぐらいなのかということになりますが、国語辞典を引いてみると

「肉体的な働き盛りを過ぎ、そろそろ体の各部に気をつける必要が感じられるおよその時期」

となっています。

初老は、男性55.5歳、女性58.4歳

具体的に何歳が初老かということは、はっきりとした定義はないようです。
NHK放送文化研究所が、「初老」というとだいたい何歳ぐらいの人に対して使える言葉だと思うかウェブアンケートを行ったところ、その平均は男性では55.5歳、女性では58.4歳となっています。

うつ状態になるとどうなるのか

躁状態とうつ状態を繰り返していく双極性障害(躁うつ病)では、次の2つの症状が主症状として現れてきます。
抑うつ気分 : 何をしても晴れない嫌な気分があったり、気分の落ち込みなど
興味・喜びの喪失 : 以前は楽しいなと思っていたことにも楽しみを見いだせなくなってしまう

うつ病の状態では、1日でみると、朝方に気分がすぐれずに、夕方にかけて少し回復していくという日内変動をとります。
もちろん、これら気分障害の症状の出現は、環境の変化であったり、睡眠の量や質にも影響を受けます。

老年期のうつ病

老年期のうつ病はとくに初老期に好発すると言われています、
不安や焦燥感を示しやすくて、いろいろな身体症状も訴え、時には認知症に間違われることもあるので要注意です。

妄想を強く訴える人もいて、身体症状としては、頭痛や全身倦怠感、疲れやすいといった症状を訴える人が多くいます。
動作や反応が鈍くなり、忘れっぽくもなることから認知症のように見えてしまうこともあります。

どうして初老でうつ病になりやすいかというと、今まで社会の第一線でバリバリに働いていた人が、仕事を辞め、社会的地位の喪失であったり、人間関係の変化が起こる時期でもあることも影響しています、

老年期のうつ病で注意しなければいけないこと

一見すると認知症のように見えてしまうこともあることから、認知症と間違うことがないように注意が必要です。
良かれと思って、元気づけたり励ましたりすることは、かえって症状を悪化させる場合が多く、避けなければなりません。
もし、老年期でうつ病が疑われる場合は、できるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。
老年期のうつ病は自殺の主要な原因にもなっているので要注意です。

老年期のせん妄

老年期には、せん妄の症状も出やすくなります。
せん妄とは、注意力や思考力が低下していろいろな症状が起こってきます。
最初は、現在の時間や場所が急にわからなくなったり、最近のことが思い出せないといった見当識障害が起こることが多いとされています。
その他にも、実際にはいない虫や蛇などが見えるといった幻覚や妄想、イライラ・興奮・不安・眠気といった情動・気分障害などが症状として出てきたりします。

通常は2~3日から1週間程度で改善する一過性のものですが、再発することも多くあります。特に夜間みられることが多く、夜間せん妄と言われます。

せん妄が起きる原因としては、脳の器質疾患もありますが、感染症や脱水、栄養失調や薬の副作用、心疾患・呼吸器疾患・腎疾患などの全身症状の悪化が原因になることもあります、
せん妄の疑いがある場合は、医療機関を受診して、原因を探して治療を行っていくことになります。
認知症の場合は、ゆっくりと症状が進行していくので発症の時期が特定できず、また意識がはっきりしています。

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