はしか(麻疹)の流行はどうなるのか | 健康トピックス

台湾の観光客が沖縄県を旅行したことが発端となって、はしかが流行の兆しを見せています。
FNNがまとめたはしか(麻疹)の感染状況は、沖縄県の90人をはじめ、全国で123人に拡大していて、4月25日の段階では78人であったのに対し、それから10日余りで45人も増加しています。
人の往来が激しかったゴールデンウィークが明け、さらに感染が広がることも予想されていますので注意が必要です。

はしか(麻疹)の超強力な感染力

麻疹(はしか)麻疹ウイルス(Paramyxovirus科Morbillivirus属)によって引き起こされます。

特徴的なのがその感染力の強さで、空気感染(飛沫核感染)飛沫感染接触感染と様々な感染経路で感染していきます。

インフルエンザのような飛沫感染ではないので、マスクをしていてもあまり意味がありません。

飛行機に1人はしかに感染した人がいるとすると、すでに感染済みやワクチンを接種して免疫ができている人を除き、ほぼ全員が感染してしまうくらいの強い感染力があります。

はしかの症状と経緯

麻疹(はしか)に感染すると100%はしかにかかり、症状がでてきます。
麻疹ウイルスに感染してからの潜伏期間は10~12日で、それを過ぎるとはしかの症状がでてきます。
発熱して風邪のような症状が出てくるカタル期が2~4日続いたあと、高熱・発疹の症状が現れてくる発疹期が3~5日あり、回復期となっていきます。
カタル期は風邪とも違いやすいのですが、発疹が出てくる1~2日前位に『コプリック斑』と呼ばれる頬粘膜にやや隆起した約1mm程度の白い小斑点が出てくるのが特徴です。

怖いはしかの合併症

はしかによる死亡率は、約1,000人に1人の割合と言われていて、世界での2015年の5歳以下の小児の死亡数推計によれば、麻疹による死亡は全体の1.2%を占めています。
はしかで死亡する原因は、その合併症で、比較的多い合併症である麻疹肺炎の他、麻疹脳炎がはしかによる二大死亡原因となっています。
これといった治療法はなく、有効手段としては、ワクチンの接種による予防法で、麻疹に対する免疫を獲得することです。

はしか(麻疹)の法的な扱い

麻疹は、5類感染症に該当します。
国が感染症発生動向調査を行うものですが、対応措置としては、入院や就業制限などの制限はありません。医療機関が感染を診断してから7日以内に届出することになっています。

現在では弱毒性ワクチンによる予防接種が行われていて、1歳と5歳の2回接種することになっています。

学校感染症として、学校保健安全法施行規則には、麻疹に感染した場合、解熱後3日を経過するか、学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまでは、出席停止という基準がもうけられています。

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