母性本能とは、広義の意味と狭義の意味があります。
広義の意味としては、母親が普遍的にもつ繁殖に関わる行動を引き起こす本能とされていて、狭義の意味としては、未熟な状態で誕生し、一定年齢に達するまで保護者の養育なしに生存できない子供に対して母親に見られる養育行動の反応および行動原理として存在するとみなされる本能となっています。
母性本能に関連した生理
赤ん坊の泣き声を聞くことにより、母親の意志に反しても乳房が張ってきたり、乳が噴出したりといった反応がでることがあります。
これは母性本能的な行動や反応が女性ホルモンと関連していることから起こってきます。
主に脳下垂体でつくられ分泌されるペプチドホルモンであるプロラクチンは、乳腺の発育を促進したり、母性行動を誘導すると言われています。
母性本能は社会的背景でつくられたもの?
プロラクチンなどのホルモンの関与が母性行動と大きく関わっていると生理的側面で言われていますが、社会的側面から、母性本能は社会的背景によってもつくられた部分があると考える人もいます。
その証拠に18世紀頃のフランスで調査された結果によると、二万人の子供のうち実の母親に育てられたのはわずか1000人ほどで、乳母任せが1000人、残りの1万8000人は生まれてすぐに里子に出されていたことがわかったという報告があります。
この事実からすると、こんなに多くの女性が自分が生んだ子供を平気で他人に預けっぱなしにしているのだが、本当に女性に母性本能があるのであればそれはあり得ない話であるとしているのです。
さらに、自分が面倒を見た子供に愛情を抱くのは誰しも当然のことで、それを母性本能と読んでいるのは、子供任せにさせないために世の男性たちが都合のようにでっちあげたものだとしています。
つまり、母親の義務だと押しつければ男尊女卑と反発をくらうが、そこを母性本能といってしまえば、反発しにくくなるという心理を男性がうまく利用したものだという意見もあります。
なぜ母性本能はくすぐられるのか
女性が母性本能をくすぐられるときの感情は、「可愛さ」を感じているところにあります。
もちろん可愛いと感じるスイッチは人によってさまざまですが、母性本能がくすぐられる女性に共通して言えることは、相手のギャップです。
無邪気な笑顔、無防備な寝顔といったことが、一緒にいて楽しい、守りたいというようになっていくのです。
母性本能をくすぐる男性の特徴
最後に女性の母性本能をくすぐって女性にモテたいと感じている男性のために、少しだけ母性本能をくすぐる男性の特徴をあげてみようと思います。
母性本能をくすぐるキーワードが「ギャップ」ということで、やはり母性本能をくすぐる男性の特徴はギャップがある人ということになります。
- 仕事ができるのに失敗して凹んでいる弱い一面が見えた
- 頼りがいがあるのに2人になると悩みを相談したり弱みを見せる
- しっかりしているのにいつまでも少年のような心を持っている
一生懸命な人なども母性本能をくすぐられる対象になりますが、やはりダメダメ人間ではいけないということでしょうか。
もともとは仕事ができる、頼りがいがある、しっかりしているということが基本で、その中にギャップとしての弱い面、可愛さが見えたときに、守ってあげたいというようになることが多いようです。