遊びなどの占いで、いくつかの質問に答えさせて、あなたは右脳人間、あなたは左脳人間というような占いや性格診断があります。
右脳人間や左脳人間ってどういうことなのでしょうか?
右脳型は感覚タイプで、左脳型は論理タイプ?
人間の大脳は左右2つの半球に分かれています。
そしてその機能分析をすると、次のようになっています。
右脳の役割
右脳は感覚的なことを司り、物事を直感的にとらえたり創造力を発揮するようなことに適していると言われています。音楽や絵画といった芸術活動を行なうときにも使われます。
空間的認識や方向感覚なども右脳が司っています。
左脳の役割
一方、左脳は、言語活動、いわゆる読み・書き・話すといったことや、計算などの論理的思考を司っていると言われています。
時間の概念や数の計算、言葉や記号を使った論理的な思考を司っています。
右脳・左脳の役割分担はどうやって決まるのか
人間の大脳の右半球と左半球は、脳梁(のうりょう)という神経線維の束で結ばれています。
しかし、産まれたばかりの赤ちゃんは左右の脳がつながっていません。
右脳と左脳はそれぞれで全く同じ機能を持っているのです。
それでは、いつごろ右脳と左脳の架け橋、つまり脳梁はできあがってくるのでしょうか。
それは、1歳過ぎぐらいのころで、6歳ごろまでには大人と同様の太い脳梁となり完成していきます。
つまり、右脳と左脳の役割分担が決まっていくのは、脳梁ができはじめる1歳過ぎぐらいからと言えます。
右利きと左利きのなぞ
日本人は、約5%が左利き、約6%が両利きと言われていて、圧倒的に右利きが多くなっています。
利き手は、遺伝やホルモンの影響で決まると言われたり、右脳が発達した人は左利きになるなど諸説あるようですが、実際のところはわかっていません。
一卵性双生児でも、10%は利き手が一致しないとも言われています。
世の中の物が右利き用にできているものが多く、例えば成長期などで箸などを右で持つようにしつけられたというような環境的要素が大きいのではないかとも言われています。
右脳人間・左脳人間はナンセンス?
右脳人間というと、クリエイティブで独創性に富んた人というイメージがあり、左脳人間というと、知的で分析が得意なタイプというイメージがあります。
しかし、脳科学の分野で、2年間にわたって、7歳~29歳までの被験者1,000人以上の脳の神経活動を比較検討した研究があります。
7,000以上の区域に脳の領域を分けて、そのデータ画像から右脳・左脳の機能に個人差があるかどうかを調べたのですが、結論をいうと右脳と左脳の機能分化において有意な個人差はみられたかったのです。
つまり、右脳と左脳には、機能の違い、機能分化はありますが、個人差はないということです。
「どちらが発達しているから、この人はこうだ」ということはナンセンスだということになります。
そもそも、右脳が発達しているとクリエイティブだとか、創造性があるとか言ったりしますが、「クリエイティブ」・「創造性」ってどういう風に数値化できるのでしょうか?
百歩譲って仮に数値化できたとしても、それは本当に「クリエイティブ」・「創造性」の指標として妥当なのでしょうか?
こういったことからも、「右脳が発達している人はクリエイティブで創造性がある」とするのはおかしなことになります。