ええと、あれ、何だったっけ? というような度忘れは誰にでもあるものです。
度忘れというぐらいなので、忘れてしまったのかといえば、決してそうではなく、実は憶えているのです。
完全には忘れていない度忘れ
度忘れは、その場では思い出せなくても、後になってフッと思い出したりします。
また何かのヒントをきっかけに思い出すことができたりします。
本当に忘れているのであれば、思い出すことはできません。
記憶のどこかに残っていたからこそ、後になって思い出すことができるのです。
例えるならば何百万、何千万枚もの書類のどこかに隠れてしまっていて、すぐには思い出すことができないでいるところを、検索し続けてやっと見つけ出して、意識に送られてくるような感じです。
繰り返せば憶えるのは忘れていないから
テスト勉強などをして、実際にテストのとき、ああここ勉強したはずのに、憶えたはずなのに、思い出せないということはよくあると思います。
これは上手く想起できていないだけであって、少なくとも勉強したことを覚えている段階で、記憶にちゃんと残っているのです。
記憶には、反復学習が大切と言われていますが、一度憶えたところを二度目、三度目と復習するときに、最初に学習したときよりも楽に憶えることができると思います。
実際には、忘れたから憶え直しているという感覚で勉強していると思いますが、もし本当に忘れてしまっているのであれば、憶える労力は1回目も2回目も3回目も全く同じになるはずです。
ところが、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目のほうが覚えやすいということは、何らかの形で記憶が頭のどこかに残っているからです。
もちろん、反復学習を長年しないで放置しておけば、完全に忘れてしまい、はじめて学習するのと同じレベルでの労力が必要になってしまったりしますが、適切な時期に反復学習をしていれば、楽に復習し憶え直すことができます。
これは、雪の上のシュプールに似ています。
一度学習すると、つまり雪の上をすべると、すべった後にシュプールができます。
しばらくしてすべると、溝が少しできているので、最初にすべったときよりもすべりやすくなっています。
3回目、4回目はどんどん溝が深くなっているので、よりすべりやすくなっています。
しかし、ずっとすべらないでいると、その上に雪が降り積もり、シュプールは消えてなくなってしまいます。
覚えるためにすること
ものを憶えるためにまずすることは、何を覚えるかを明確にすることです。
学習の範囲をしっかりと示し、例えば、単語帳ならこの単語帳を覚えていくというように範囲を決めるのです。
やみくもに学習をはじめると、何を覚えるべきなのかわからず、それがあせりにもつながってしまいます。
次に記憶術などを使って覚えたり、憶える内容をまとめたり、共通点を整理することによって、憶える内容を加工し、効率的に憶えられるようにします。
そして、実際に憶えていった後、適切な間隔で復習をし、最後にはアウトプットしてみて、記憶を強化していくと良いでしょう。