高校の化学で最初に学ぶ分野が『理論化学』ですが、ここでは物質の構造・物質の状態・物質の反応を学んでいきます。
なぜ理論化学というのか
なぜ、物質の構造・物質の状態・物質の反応の分野が『理論化学』になるのかと思うかもしれません。
受験のことを考えると、とにかく丸暗記、覚えてしまったもの勝ちとばかりに、物質の構造や物質の状態について、参考書を読み、内容を暗記して問題集を解く、あるいはいろいろな化学反応式を丸暗記するといったような暗記をしたという経験がある人は多いと思います。
実は、この分野こそ、論理的な思考がものをいう分野なのです。
この分野は、理系科目の中で、物理や数学よりもとっつきにくいと言われています。
こういうと、いやいや数Ⅲや物理のほうがよっぽど難しいじゃないか、覚えればいいんだしと言われてしまいそうですが、物質の構造・物質の状態・物質の反応は、最もズを用いて直感的に理解することが難しい分野と言われています。
『理論化学』は、高校化学から大学にいくと『物理化学』と呼ばれたりして、物理学を応用した化学になっていきます。
受験なので、とりあえず化学反応式を丸暗記で急場しのぎをという人が大半だと思いますが、本来『理論化学』では、どうしてそのような変化が起こるのかという原因を理解することが大切になってきます。
理論化学のミクロな視点
『理論化学』で大事になってくるのが『ミクロな視点』です。
ミクロな視点とは、日常とはちょっと違った視点をもつと理解しやすくなり、私たちの目に見えないような小さな世界のことです。
つまり、具体的にいうと、物質を構成している原子や分子といった小さな粒子を考えるのがミクロな視点で、こうした粒子が集まって物質ができています。
物質を構成する1つ1つのミクロな粒子の性質がわかれば、その集まりであるマクロな物質の性質が見えてくるのです。
モルとダルトン
化学には計算が欠かせませんが、化学計算を行うベースになるのが『物質量(モル)』という考え方です。
モルは6.02×1023個(アボガドロ数)の分子量を1モル(mol)としたもので、分子量にgをつけたものが1モルの質量になります。
つまり、分子量18の水は、1モル18gということになります。
『モル(mol)』は知っているけど、『ダルトン(Da)』という言葉は、聞いたことがないという人も多いと思いますが、これは、原子や分子1個の質量を炭素12の質量の1/12を基準としてものです。
炭素12は、12g/molなので、1Daは、1.661×10の-27乗kgになります。