高校の化学にも、水素イオン濃度やpHという言葉はでてきたと思いますが、どのように違うのでしょうか。
酸性度の度合
よく、液体の性質を表す一つの指標として、酸性度又は塩基性度があります。
よくpH7だと中性、それよりもpHの値が小さければ小さいほど酸性が強く、逆にpHの値が大きければ大きいほどアルカリ性の度合が強いというイメージを持っていると思います。
実は、どのような水溶液にも、H+とOHーの両方が必ず含まれていて、そのどちらのほうが多いかによって、酸性か中性か塩基性が決まるのです。
つまり、モル濃度換算で、[H+]>[OH-]ならば酸性、[H+]=[OH-]ならば中性、[H+]<[OH-]ならば塩基性であり、水溶液の酸性の度合は、水素イオン濃度(H?)によって決まります。
pHと水素イオン濃度
ちょっと待って、昔、pH=7なら中性、pH<7なら酸性、pH>7ならアルカリ性って習ったような気がするけど思った人も多いと思います。
実は、具体的には、例えば溶液が中性だとすると、[H+]=[OH-]の値になりますが、これは溶液の温度によって変わってきて、25℃の時には[H+]=[OH-]の時に、中性になります。
そして、[H+]×[OH-]= 10⁻₋⁻¹⁴(mol/L)²という関係が満たされ続けますので、[H+]がわかれば、自然と[OH-]が出てくるので、[H+]をおさえておけば良いということになります。
そして、[H+]をもとにして、溶液の酸性度の度合を表すのがpHになってきます。
pHと品質管理
実際の場面では、液体のpHの測定が品質管理に欠かせないというケースも多くなっています。
例えば、pHは醤油や酒の品質が保たれているのかを調べる指標の一つになります。
昔は、1931年に開発されたpH試験紙により、おおまかにpHがわかるようになり、ある程度の傾向がつかめればいいという場合は、pH試験紙が重用され、今でもpHの測定にpH試験紙が用いられたりします。
今では、pHメーターにより、より細かく正確にpHを測定できるようになっています。
ちなみに酸と塩基を混ぜると、中和反応が起こり中性になっていきますが、これは、[H+]と[OH-]が反応して、[H+]+[OH-]→H₂Oとなりますが、[H+]を放出するものが酸、[OH-]を放出するものが塩基になります。
そして、この中和によって、[H+]も[OH-]も中和され、減少して、お互いの性質が打ち消されます。
こうした中和反応は家庭用品でもよく応用されていて、例えばトイレの消臭剤は、臭いの原因となるアンモニアなどが塩基性のため、酸性のクエン酸を使って中和させることで、臭いを抑えていきます。
逆に、酸性の強い足の臭いなどは、塩基性の重曹などを用いて中和させるのです。