ブルーというと、マタニティーブルーとか、マリッジブルーとか、いろいろなブルーがありますが、ウインター・ブルーという言葉もあります。
もちろん文字通り、ウインター(冬)にブルー(うつ)になることからこう言われますが、冬限定の「プチうつ」で、季節性気分障害の一種です。
もしかしたらウインター・ブルーかも
春には桜が咲き、夏には深緑、秋には紅葉、しかし、ヒューヒューと木枯らしが吹き始めるころになると、だんだんと木々の葉も落ちて、日が暮れるのもすっかり早くなってきてしまいます。それに加えて寒さも身にこたえるようになってきます。
こうなってくると、何となくもの悲しい気分に襲われるという人も増えてきます。
理由もないのに涙が出てきたり、どうしようもなく心が落ち込んでしまうといった人もいるようです。
このウインター・ブルーは、季節性気分障害ですので、冬の間はずっとうつうつとした気分が長く続いていますが、冬という季節が過ぎ去り、桜の花芽も出てくる春になってくると、しだいに調子が上向きになっていきます。
ウインター・ブルーの症状
ウインター・ブルーの症状としては、「無性にもの悲しい」という人が多く、その他には、「意欲や気力が低下してしまう」、「いくら眠っても眠い」、「過食気味になって甘いものが食べたくなる」、「寂しいけれど誰にも会いたくない」といったようなことを訴えたりします。
葉がすっかり落ちてしまった木を見ているとなんだか寂しく感じてしまうというのは気分的なものなのでしょう。
いや、「冬、葉が落ちた木の枝に雪が積もるのって風情があるよな」、「枯れ木に鳥たちが止まってさえずっているシルエットがはっきり見えてかわいいな」、「クリスマスに正月にバレンタイン、葉が落ちた枝は、夜になるとイルミネーションで綺麗な夜景に早変わりだ」とポジティブにとらえられる人はいいのですが、そういう人ばかりではないでしょう。
もしかしたら、冬に葉が落ちた木にイルミネーションを取り付けるというのは、冬のもの悲しさを少しでもやわらげようとする人間の知恵なのかもしれません。
なぜウインター・ブルーになるのか
では、なぜうつは冬に多くなるのでしょうか。
冬というと、日照時間が短い季節です。この日照時間の減少が脳の神経伝達物質であるセロトニンの分泌を減らしてしまいます。
セロトニンは、情緒の安定にたいへん大きな役割を果たしていますが、日光に当たることによって体内の合成が進んでいくのです。
冬でなくても、雨の日が続くとなんとなくうつな気分になる人も多いかと思いますが、それも日照時間が関係しています。
男性と女性では、女性のほうがセロトニン不足になりやすいと言われていて、特に女性は冬になるとうつの症状が出てくる人が多いと言われています。
ウインター・ブルーにならないために
それでは、ウインター・ブルーにならないためにはどうしたらよいか。
冬は南半球へ行け!だと???
すべての人がそうできるわけではありませんよね。
オススメなのは、食事で肉類を食べることです。
肉類には、アミノ酸であるトリプトファンが豊富に含まれていますが、このトリプトファンはセロトニンの原料になるからです。
あとは、なるべく天気が良い日は日向ぼっこをしたり散歩をしたり、日光を浴びるようにし、朝起きたら、カーテンを開けて日差しを思いっきり浴びると良いでしょう。