記憶は「日常」よりも「非日常」 | 賢脳トピックス

私たちの脳は、何かを覚えようとすると、そこにシナプスによるつながりができます。
例えば、新しい単語を覚えたとすると、そこに脳細胞の新しいつながりができているのです。

雪面のシュプールに似ている人間の記憶

スキーで新雪の上を滑ると、滑ったあとに2本のスキー板が通った跡が雪面に残ります。いわゆるシュプールですが、人間の記憶もこの雪面のシュプールによく似ています。

記憶には反復が大切だといいますが、1回覚えたことがあることは覚えやすくなっていて、復習するたびに、最初に覚えたときよりも頭に入りやすくなっていることに気づくはずです。

雪面のシュプールも同じで、1回滑ってシュプールができているその上を滑ると、非常に滑りやすく、また何度もその上を滑っていると、そのシュプールはしだいに鮮明になっていきます。

復習する回数が多ければ多いほど、その記憶もしっかりと刻み込まれていくのです。
しかも、1回すべった後にすぐにすべったほうが、まだシュプールがしっかりしているのですべりやすく、よりしっかりとシュプールが残りやすくなります。

逆に、せっかく覚えても復習しないでいると、細胞同士のつながりは強化されずしだいに弱くなっていき断たれてしまい、記憶から消えてしまいます。
雪面のシュプールも同じで、1度滑っても、その後ぜんぜん滑らないでいると、やがてシュプールは消えてしまいます。

記憶と雪面のシュプールは非常によく似ているのです。

記憶術で使われる突拍子もないイメージ

記憶術は、覚えにくい単語や数字の羅列を、イメージしやすい単語に置き換えて、鮮明にイメージすることで、記憶への定着をよく使用というものです。
イメージが鮮明であればあるほど、1度で記憶に残り、なかなか忘れません。

記憶術が成功するかどうかは、いかに記憶に残るような鮮明なイメージができるかどうかにかかっているといっても過言ではないでしょう。

忘れっぽい人でも、初めて好きな人ができて告白したときのこと、初デートの時のことなどは何年たっても鮮明に思い出せるものです。
めったにない、あるいは異常なほどの体験は、しっかりと心に残り記憶されるのです。

記憶のイメージも、日常ありふれたような光景などでは、日常と混合してしまい強くイメージには残りません。

できるだけ日常ではこんなことありえないだろうというようなイメージをしたほうがしっかりと記憶に残るのです。

いかに非日常のオーバーなイメージをできるかが記憶術成功のカギ

contribute(貢献する)という単語を覚えるとしたとき、「紺色の鳥がビューっと飛んでいった」というイメージをしたとします。

確かに念仏のように、「contribute(貢献する)」と何度も唱えるよりは覚えやすくなっていますが、日常でもあり得る光景なので、記憶にしっかりと残るというところまではいきません。

「紺色の大きな鳥が自分に向かってものすごい勢いで突進してきて、その時恐怖を感じ、そしてその紺色の鳥はすんでのところで衝突をさけビュー!と大きな音をたてて飛び去っていった。そのときビューっという大きな音とともに、ものすごい風圧を感じた」

というように日常ではちょっとありえないくらいオーバーなイメージをすれば、記憶に残りやすくなります。

記憶術のポイントの1つは、いかに記憶に残るだけのインパクトのあるオーバーなイメージが作れるかというところにあります。

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