認知症と失語 | 賢脳トピックス

認知症の人の割合は、年齢とともに高まってきて、日本における65歳以上の認知症の人の数は2020年で約600万人と推計されています。

さらに2025年になると、認知症の人の数は約700万人になり、これは高齢者の5人に1 人、国民の17人に1人が認知症になるというように予測されています。

失語は認知症の中核症状

『失語』は、認知症の中核症状と言われていて、認知症になると必ず現れてくる症状と言うとわかりやすいかもしれません。

失語は、脳の言語を司る領域が衰えることによって起こりますが『運動性失語(ブローカ失語)』『感覚性失語(ウェルニッケ失語)』があります。

『運動性失語(ブローカ失語)』は、耳から入ってくる話は理解できるのですが、自分の言葉が出にくいとか、明瞭に話せないという状態で、言い間違うことが多くなったり、文字を書くのも難しくなるといったことが起きてきます。

もどかしさやいらだちから話すこと自体に意欲をなくしてしまうこともあります。

『感覚性失語(ウェルニッケ失語)』は、相手の話や書かれた文字の意味を理解することが困難になってきてきます。

一方で言葉をよどみなく話すことはできるのですが、意味のわからないことを言ったりします。

また、口から音を発する脳幹が衰えたために話すことが苦手になって失語になることもあります。

失語の具体的な症状

失語の状態だと、日常的によく使う簡単な単語が出てこなくなったりします。

例えば、ボールペンのことを書くやつと言ったり、ハサミのことを切るやつといったり、ジェスチャーをまじえたりします。

また、「あれ」とか「それ」といった代名詞が増えてきたりします。

またミカンをミンカ、トケイをドケイというような言い間違いが増えてきたり、話すスピードが遅くなりたどたどしくなってりしてきます。

「今日、天気、よい」というように文法を無視した話し方や単語だけの会話になることもあります。

失語の人の気持ちを考えた対応

失語は、耳から入ってくる話は理解できているのに、思うように言葉がでてこなかったりすることで、うまく意思疎通できないもどかしさで、孤独を感じたり、徐々に自信を失ったり、疎外感を感じたりします。

まずは、しっかり顔をみて聞き、相槌を打ってあげることが大切で、ていねいにオウム返ししたり、気持ちを言語化したりすると、話しを聞いてもらえているという安心感が得られます。

何を言っているかわからない時でも、身振り手振りや表情などから、何を言っているのかわかるときもあるので、なるべく察してあげるようにするのが大切です。

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