認知症と腸内環境の関係 | 賢脳トピックス

『脳腸相関』という言葉がありますが、認知症やうつ病といった疾患も、腸内環境と関係がしているのではと注目をあびています。

認知症・うつ病と腸内細菌

正直なところ、まだまだ腸内環境と認知症などとの関わりについては明らかになっていないことが多く、それだけにこれからの研究課題としても注目を浴びている分野になっています。

認知症の人の腸内環境

認知症の人とそうでない人との腸内環境を比較してみると、特徴がみられ、それに食事が関係している可能性もあるということが示唆されています。

こうした認知症やうつ病、総合統合失調症などの精神疾患と腸内環境については、いろいろと研究が行われてきていて、徐々にわかってきていることもあります。

他にも、うつ病の人の腸内フローラを見てみると、うつ病ではない健常人と比べてビフィズス菌や乳酸菌が少ない傾向があるという研究結果があります。

また認知症やその前段階である軽度インチ障害の人では、腸内細菌の変化が認められていて、認知症になる前から腸内細菌に変化が生じて、それが認知症の発症に影響をしている可能性があるという報告もあります。

こうした結果から、脳の機能や精神状態と腸内環境には何等かの関係性があるのではないかと言われています。

しかし病気になると食欲が低下したり、偏食傾向が出てきた理して、そういったことで腸内細菌叢のバランスが変化しているという見方もあり、病気になったから腸内細菌叢が変わったのか、腸内細菌叢が変わったから病気になったかは、明らかにすることが難しく、これからの課題となるのかもしれません。

腸内環境を考慮した治療

病気になったから腸内細菌叢が変わったのか、腸内細菌叢が変わったから病気になったのかは、鶏が先か卵が先かという問題と同じで、難しい問題なのですが、因果関係がわからないから無意味であったり、早計には何もいえないというのではんく、こうした可能性も考慮し、実際にもうつ病や自閉症に対する治療法として食事療法はもちろん、糞便移植なども選択肢として試みられてきています。

メンタルと腸内環境

腸内環境はメンタルに大きな影響を及ぼすと言われていて、実際にマウスを用いた実験では、腸内細菌がメンタルの安定に影響を及ぼしているという結果がでてきます。
スウェーデンとシンガポールの研究チームは、腸内細菌を持たない無菌マウスを用い、さらには成長時期をずらして腸内細菌を投与する実験なども試みました。

そのけっか、成長初期の段階で腸内細菌を投与されたマウスは、もともと腸内細菌がいるマウスと同じような行動を示したものの、成長が進んで成熟期に細菌を投与されたマウスは、腸内細菌がいないマウスと同様に攻撃背うの強い行動を示しています。

このことから腸内細菌が脳の初期の成長に影響を及ぼしているのではないかということが推測されています。

メンタルと腸内環境についてもまだまだわかっていないことが多く、これらの実験もあくまでもマウスでの実験での話であって、これが即ヒトに当てはまるというものではありませんが、腸内環境のもつ影響力の可能性として考えておくことも必要なのかもしれません。

最新情報をチェックしよう!