ニーモニック(mnemonic)とは何かということを調べてみると、どうもコンピューター用語・IT用語のようで、次のようになっています。
ニーモニックとは、プログラムを実行させるための機械語(数字の羅列)を、プログラミングしやすくするための簡略記憶記号のことである。
なんだか難しくてよくわかりませんが、記憶術の分野においても『ニーモニック』という言葉がしばしば使われます。
記憶術の分野でのニーモニックとは
ニーモニックは、日本でいう語呂合わせ的なものを、英語圏でニーモニックと呼びます。
コンピューターの世界でもプログラムを実行させているのは機械語と呼ばれるもので、この機械語は数字が羅列された形になっています。
これでは、そのまま覚えにくくプログラミングが難しくなってしまうので、これを覚えやすい形である記憶記号に置き換えるのです。
この記憶記号に当たるものが『ニーモニック』と呼ばれていますが、コンピューターの場合は、このニーモニックで書かれたプログラムを、アセンブラと呼ばれるプログラムを使って、コンピューターが読める機械語に翻訳しています。
記憶術の場合も、覚えにくいものを覚えやすい形にしてくれるもの、またその手法を『ニーモニック』と言っています。
語呂合わせもニーモニック
例えば、有名なところでは、√2(1.4142135)を覚えるのに、「ひとよひとよにひとみごろ」と語呂合わせして覚えたりします。
これも、無機質な数字の並びである「1.4142135」を、覚えやすく変換したニーモニック化と言えます。
ニーモニック化することで、長く記憶にとどまるようになります。
記憶術は、想像力を駆使して単語をニーモニック化することで、少しでも楽しく、速く、長く記憶にとどめられるようにするものです。
ドイツ語には、男性名詞・女性名詞・中性名詞があります。
たとえば、犬は男性名詞、猫は女性名詞、馬は中性名詞になります。
面白いことに、例えば猫であれば雄猫であったとしても、女性名詞ということになります。
例えば、たくさんの犬が大男にかみついているというところを想像すれば、犬は男性名詞ということになり、多くの女性が猫の物まねをしているところを想像すれば、猫は女性名詞と忘れにくくなるでしょう。
このように、そのままでは覚えにくいもの、混乱してしまうものを覚えやすい形、混乱しにくい形に工夫することがニーモニック化ということになります。
記憶術でうまく記憶できるかどうかは、ニーモニック化において、いかに鮮明にイメージしたり、突拍子もないイメージで記憶に焼き付けるかというところにかかっているのです。