健康においては、体の血流が悪くなると病気になったりしますが、脳においても同じようなことが言えます。
特に脳は多くの血液を必要としている組織なのです。
2%の脳が18%のエネルギーを消費する
人間の脳は、体全体からみるとその重要は体重のわずか2%ほどと言われています。
人間の脳には、860億の神経細胞があると言われています。
そして1つの神経細胞だけでも、何千もの「シナプス」を持つことができるので、人間の脳内には約250兆もの「シナプス」があるという計算になります。
もちろん、これは理論上の計算であり近似値に過ぎませんが、こう考えてみるとすごいことです。
ざっと大雑把にこの数値をもとに考えてみると、「シナプス」1つが5ビット容量として150TBもの容量になることを踏まえると、DVD一枚が約4.7GBなので、DVD約3万枚分の情報という計算になります。
体重のわずか2%ほどの脳にこれだけの情報量ということになると、すごいことです。
だからこそ、脳が1日に使うエネルギーは、1日の摂取エネルギーの約18%と言われています。
重量からするとわずか2%の量が、エネルギーでは18%も使っていて、それだけ脳が働くには多くのエネルギーがいると言えるのです。
そして、この脳のエネルギーとして使えるのは、ブドウ糖のみとなるので、しっかりとブドウ糖を取り込むことは重要になってくるのです。
脳が消費する酸素
脳を活性化するのは、酸素は必要不可欠になります。
そしてその酸素を脳に運んできているのが血液になります。
実施に松下電器産業が、名古屋工業大学・代々木ゼミナールと共同で行った研究によると、高濃度の酸素を吸いながら英単語の暗記を行った予備校生は、約15%も多く記憶できたという結果もでています。
これは、脳内の酸素量が十分だと、脳の神経が活性化されて記憶力も大幅に高まる可能性があるということになります。
脳が酸素を消費する量は、体全体の25%といわれています。
しかも電気と同じで、脳は酸素を貯めておくことができませんので、供給されたら一瞬にして使ってしまうため、脳は常にブドウ糖と酸素を求めているということになります。
こうしたブドウ糖や酸素を脳に運び入れているのが血液ですが、血液により脳にある640億もの脳細胞に1つ1つ酸素を送り続けるためには膨大な量の血液が必要というのは想像に難くありません。
実際に脳を循環する血液量は、1日で2000Lと言われていて、これはドラム缶10本分にも相当するのです。
脳にしっかり血液を運ぶ
疲れていたり寝不足の時、なかなか頭がいつものように回らない、なかなか覚えられないという経験がある人も少なくないと思いますが、こうした誤記は、脳に十分な酸素が回っていない可能性があります。
脳内の血液の循環がスピーディーになれば、脳はしっかりと酸素を取り込み、脳のすみずみまでパワフルに働き、しっかりとその能力を発揮できるのです。