世の中には、2つの確率があります。
一つが『数学的確率』で、もう一つが『統計的確率』です。
数学的確率
『数学的確率』とは、一言でいうと論理的に計算した確率になります
たとえば、コインを1枚と素したときに、表が出るか裏が出るかという結果は、表か裏かのうちどちらか1つであることから、重心が偏っていたり、何か特別な細工でもされていなければ、コインを1回トスするときに表が出る確率は、2つの可能性のうちの1つということで、論理的には2分の1となります。
もう一つ例をだすと、サイコロを振るケースで、1の目が出る確率は、出る可能性がある目は1か2か3か4か5か6の6通りなので、6つの可能性のうちの1つということで6分の1になります。
トランプからジョーカーを除いて、残りの52枚のカードからハートのエースを選ぶ確率は52分の1、エースを選ぶ確率は52分の4、ハートを選ぶ確率は52分の13ということになり、これらはすべて『数学的確率』になります。
統計的確率
『統計的確率』とは、実施の結果から算出した確率になります。
どういうことかというと、1枚のコインを10回トスしたとき7回表が出たとします。
すると、表が出る確率は、10回トスして7回出たのだから、10分の7ということになります。
このように実際の結果から計算した結果が『統計的確率』になります。
数学的確率と統計的確率
数学的確率の事例しては、サイコロの出目、コイントスの表裏、じゃんけんの勝敗などで、あくまでも卓上での計算です。
統計的確率の事例としては、野球の打者の打率、天気予報の降水確率なでお、実際の経験から割り出されるものになります。
それぞれメリット・デメリットがあり、数学的確率のメリットとしては、全て論理的に計算するので過去のデータは一切不要で、その場ですぐに計算でき確実です。
一方、数学的確率のデメリットとしては、複雑な事象の確率を求める場合、単純な論理だけでは割り出せず計算できません。
統計的確率のメリットは、複雑で過去何回も経験があるようなことでは、例え複雑であったとしても、データを集めるだけで計算できる一方で、統計的確率のデメリットとしては、過去のデータを大量に必要とするだけでなく、それにより時間もかかります。
また、統計的確率の場合は、過去のデータがもとになっているので、多少確率に誤差が出てくることもあります。
確率の大数の法則
統計的確率には、膨大なデータが必要です。
たとえばコイントスにしても、何回も繰り返すことにより、確率は論理的確率である数学的確率の2分の1に近づいていきます。
このように実施回数を増やせば増やすほど、統計的確率が数学的確率に近づいていくことを『確率の大数の法則』といいます。