ストレスは記憶力を衰えさせる | 賢脳トピックス

長い間ストレスにさらされていると、ニューロンが傷ついて記憶を司っている脳の海馬が委縮をしてしまいます。

適度なストレスはちょうどよい緊張感を生み出し集中力や記憶力を向上させますが、慢性的なストレスにさらされていると、やがて脳に悪影響を及ぼしてきます。

ストレスで傷つく海馬

人間の体は、慢性的にストレスを受けるとコルチゾールという別名ストレスホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されてきます。

コルチゾールが分泌されてくると、心拍数が上がり、血圧も上昇してきます。
これは危機に対する臨戦態勢をとるようなもので、必要なものです。

しかし、コルチゾールが長期間過剰に分泌されると、脳の栄養である神経栄養因子の量が低下してしまい、ニューロンが傷ついて脳の海馬が委縮してしまいます。

ストレスは脳のワーキングメモリを占領する

勉強でも仕事でも、ストレスを抱え込んだままだと良いパフォーマンスはできません。
机の上の作業場にたとえられる脳のワーキングメモリの大きさは限られていますが、ストレスをかかえたままだと、そのストレス関係の情報処理でワーキングメモリの大部分を使ってしまいます。

つまり机の上に「ストレス」という大きな荷物が置かれた状態ですので、実際に使える机の上の広さは小さくなってしまっているのです。
これでは新しいことも覚えにくくなってしまいます。

ボディーブローのように効いてくる日常のストレス

慢性的な長時間労働や、ちょっとした人間関係の不和などは、ストレスの強さからするとそれほど強いものではないかもしれませんが、長時間にわたって続くもので、本人も自覚しにくいまま、じわじわと心身をむしばんでいくものです。累積すると、強いストレスに匹敵するものになっています。

そのため、普段から適度なストレス解消法を身につけておく必要があるのです。

STRESS対策はSTRESSで

ストレスが溜まっていくのを避けるための対策として、STRESSがあります。

STRESSの解消にSTRESSって何?と思われた人もいるかと思いますが、これはストレスを解消するためのものの頭文字をとったものです。

Sport(スポーツ)
Travel(旅行)
Rest(休養)
Eat(食事)
Sleep(睡眠)
Smile(笑顔)

確かに、スポーツで適度に体を動かし汗を流し、非日常としての旅行に行き気分転換をはかり、温泉にでも入ってゆったりと休養し、旅館で美味しい料理を食べて、ぐっすりと眠り、友達とニコニコ楽しそうに会話をしていると、まるでストレスとは無縁の世界という感じがします。

もし、ストレスが溜まりすぎているなという時は、時間をとって、『STRESS』を実行してみてはいかがでしょうか。
ストレスを解消することで、脳のワーキングメモリが解放され、新しい情報のインプット・アウトプットがスムーズにできるようになります。

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