桜の開花を予感させる香りの力 | 賢脳トピックス

桜のシーズンとなり、この季節になるとなんだかワクワクした気分になるという人もいると思います。
厳しく寒い冬をじっと耐えて、そして一定の時期になると一斉に咲きはじめ、一気に周りを淡いピンク色に染め上げ、そして春の風や雨に花びらを潔く散らしていくその美しい姿は、日本人の美徳の粋といったところでしょうか。

長いこと花が咲くまで冬を耐え忍び、タイミングがきたら一気に咲き乱れ、潔く散っていく、そんな人生の時間経過の体現をも連想させる桜だからこそ、日本人の心に深く残るのかもしれません。

桜が嫌いな人もいる

日本人に大人気な桜ですが、中には嫌いな人もいます。十人十色といったところでしょうか。

雨がふると花びらが散ってベタベタとして汚らしい、大してきれいでもないのにすぐに散って道路が汚れ、そんな花に群がってワイワイ喜んでいる能天気な人々をみると無性に腹が立つという人もいます。

最近では、マナーの悪い観光客などに迷惑をして、桜が満開のころになると憂鬱になるといった住民もいます。
仕事で忙しい人や、いろいろと悩み事がある人は、桜の花見ごときで、夜まで飲んで騒いだり、平日の昼間から桜の木の下に風呂敷をひろげて場所取りしている若者をみると、呑気な奴らめと腹が立つのもわかります。

多くの人が大好きという桜でも、嫌いな人も1割りぐらいはいるのではないでしょうか。
こんなことを考えると、社会に万人ウケするものはありえないということなのでしょう。

だた、経済というものは、大方9割の人に人気があれば、それで十分商売も成り立っていくわけで、桜で一儲けしようなんて考える人もでてくるのでしょう。

桜が開花する予感の香り

桜がもうじき開花する頃になってくると、独特の香りを感じる人もいると思います。
あの桜餅についている葉の香りですが、特に、桜の木の下を通っていると、強く感じたりします。
あの桜の独特で上品な香りの正体は、クマリンです。
クマリンは、桜の葉などの芳香成分の一種なのですが、桜餅の葉は、天然のオオシマザクラの塩蔵葉を用いていて、あの香りは、そこから出ているクマリンなどによるものです。

桜の葉に含まれているクマリンは、たくさん食べると肝臓毒性があることがわかっています。

桜餅を食べるときに桜の葉も一緒に食べる人もいると思いますが、一度に何個もの桜餅の葉を食べることは控えたほうが良いかもしれません。

ちなみに、桜湯の場合は、クマリンはお湯に対してはわずかにしか溶けませんのクマリンの毒性はあまり影響ないでしょう。

クマリンは、抗菌作用をもっていて、また桜の香りにはリラックス効果もあり、鎮静作用などにも利用されます。

桜の木の香りフィトンチッド

桜の木は、フィトンチッドという殺菌作用がある香気成分を出してます。フィトンは植物、チッドは殺すという意味がありますが、まさに植物が細菌を殺す殺菌成分がフィトンチッドなのです。
桜の木は、この殺菌作用があるフィトンチッドを分泌することで、カビや病原菌から自分自身を守っているのです。

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