記憶術は、いろいろな語呂合わせをしたりして、覚えたいものを覚えやすい形、印章に残りやすい形にしてあげることで、学習効率をあげていくものです。
書店などにいくと、記憶術に関する本が何種類も陳列されていたりしますが、受験勉強や資格試験などいろいろなことを覚えなければならず、それだけニーズが高いのかもしれません。
いろいろな記憶術も原則は同じ
何種類もある記憶術関連の本を見ていると、同じようなことがかかれていたり、また独自の方法が書かれていたりしますが、どの記憶術をみても、共通する3つの原則があります。
その原則とは、
1.覚えようとする意志
2.復習・反復
3.感情との紐づけ
になります。
覚えようとする意志
ものごとを覚えようとするとき、そこに覚えようとする意志がないとなかなか覚えることができません。
確かに、『門前の小僧習わぬ経を読む』という言葉があり、別に覚えようとしなくても、毎日毎日同じことを聞いていれば、自然に覚えてしまうということもありますが、これではすごく時間がかかってしまいます。
書類にしても資料にしても、覚えようと思ってみているのと、ただ眺めているのでは全然違います。ただ眺めていただけでは、必死に覚えようとした場合に比べると、全然頭に入っていかないはずです。
クイズ番組で、記憶力をテストするような問題があります。
一定の時間、画像を見せられて、その後、「テーブルの上にグラスはいくつありましたか?」「人は何人いましたか?」「座っていた人は男の人ですか? 女の人ですか?」「子供は何人いましたか?」「時計は何時を指していましたか?」などの質問にいくつこたえられるかというものです。
自分がチェックしたものについては自信をもって答えられますが、チェックしていなかったものに対しては、確かに見ていたはずだけども思い出せなかったり、間違ってしまったりします。
チェックしたものについては、覚えようという意識が働いたため、その違いがでてきたのです。
復習・反復
そもそも、記憶術って速く楽に覚えて忘れないためのものじゃないの? という人もいますが、情報はインプットしたからといって、すぐに脳に定着するものではありません。
時間とともに熟成して記憶されていくのです。
もちろん、記憶術によって、定着しやすくはなりますが、1度記憶術で覚えたから大丈夫ということではありません。
記憶術で覚えたけど、あまり覚えられなかったとか、忘れてしまったという人は、復習・反復が足らない可能性があります。
記憶術で覚えると、その結びつきによって思い出せたりしますので、完璧に覚えたと思って復習・反復を怠ってしまいます。
そうすると、しっかりと脳に定着していないために、記憶術を使って覚えたとしても忘れてしまうのです。
記憶術は、1回見聞きしたから完璧に覚えられるというものではなく、脳へ定着しやすくする技術なので、やはり記憶術で覚えたからといって、復習・反復をしなくてよいということではありません。
感情との紐づけ
私たちの脳には、感情を生み出す扁桃体があり、この扁桃体が反応することで、その隣にある記憶を司るとされている海馬が刺激されます。そして海馬が刺激されることにより記憶のスイッチが入り、長期記憶されやすくなります。
感情を動かされた物事をよく記憶しているのはこのためです。
うれしかったことや楽しかったことを思い出すとき、それは別に覚えようと思って覚えたわけではありません。
体験したことに感情が紐づいていたために、強く記憶に残っているのです。
記憶術では、作為的にその状況をつくりだして五感にもうったえ、覚えるという方法がよくとられます。